技術ドーピング問題。スラップスケート。レーザーレーサー。ロードバイクのフレーム。厚底ランニングシューズ

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このページでは技術ドーピング問題についてとりあげています。その例として過去の、スラップスケート、レーザーレーサー、ロードバイクのフレームについての規制をとりあげて、ナイキのヴェイパーフライに代表される反発フレームを装着した厚底ランニングシューズ問題について私見を述べています。

【私見】

ランニングシューズにどうして規制なんか入れるのか意味がわかりません。

高価な靴? 量産すれば安くなるでしょ? それにはまず使用を許可しないと量産化なんかされるわけがないじゃありませんか。

みんながガンダムに乗りたいと思えばガンダムだって量産されるのです。量産型のジムでしか戦っちゃいけませんなんて、スポーツ界はおかしな規制をかけるものだな(バカだなあ)とわたしは思います。

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技術ドーピングか? ナイキのウェイパーフライ

ナイキのヴェイパーフライのことを書いた記事が、当サイトではたくさんの閲覧者を集めています。いわゆる「主力記事」のひとつです。

こういう新技術で記録が劇的に向上するスポーツ用品のことを「技術ドーピング」と言ったりします。人間が肉体を鍛えて過去の記録を更新するのならスポーツとして問題ないのですが、道具を変えただけで先輩たちの従来の記録が簡単に破れるようでは「肉体を競う」という本来のところから外れてしまいます。そのために「技術ドーピング」製品は「その製品を使用した場合、記録として採用しない」と業界から規制・排除を食らうことがあります。

これまでの記録をたくさんの人が塗り替えて、選手がみんなその道具を使うようになるという革新的な製品ですが、規制されるものとされないものがあります。

このページでは、そこらへんのことを書いています。

【寝る前に聞くお話し】「厚さは速さだ」ナイキの厚底ランニングシューズの逆襲劇

わたしのナイキのヴェイパーフライ評は「靴底にプレートを入れる発想は昔からあった。ナイキは素材を開発して旧来の発想を効率化させただけ。完全に企業努力の範疇であって“認めていい”。靴が人に合わせるのではなく、人が靴に合わせる時代になったなあ」というものでした。

わたしの意見は「技術ドーピングにあたらず」ですが、国際陸上競技界がどのように判断するかは別問題です。

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スラップスケート。ブレードが踵から離れる新発想のスケート靴

長野オリンピックあたりの時代にスラップスケートというスケート靴が新登場して従来の記録を次々と打ち破ったことがあります。

スラップスケートというのは、スピードスケートのブレードが蹴りだすと離れるという従来の固定型とは全然違う新発想のシューズでした。

スケートでも陸上競技同様、速く走るためにはストライドが重要です。大きなストライドを稼ぐためにはできるだけ大きな力を後ろに蹴りだす足に込める必要がありますが、ブレードが踵から離れるスラップスケートは氷面に接している時間が一体型よりも長くなるため、力を伝えるのに有利です。そのために同じ選手がスラップスケートを履くと速くなるというヴェイパーフライと同様のことが起こりました。

ナイキの厚底シューズと同じような事例は過去にもあったのです。

わたしはどうして日本人選手が陸上100mではまったくメダルを獲れないのに、スピードスケート短距離500mでは金メダルが獲れるのか、という記事で、着地筋(太腿前面のブレーキ筋)のしめる割合がスケートの方が大きいためだろうと分析しました。

この踵が離れるスラップスケートは着地の時はバネで戻ってくるので、ノーマルスケートと同じ着地ができるのです。バネは装着していますが、推進力に使っているわけではないので、技術的には「問題なし」とされました。

ブレード(刃)がブラブラする可能性があるので「危険だ」という判断はされたようですが、技術革新の結果は認められました。長野五輪ではスラップスケートの選手が勝ち、ノーマルスケートの選手が破れるという傾向が完全に出たのです。

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レーザーレーサー。水の抵抗を減らす魔法の水着

水泳界にも「技術ドーピング」とされた魔法の水着がありました。レーザーレーサーという水着です。

この水着は特殊な素材でできた競技用水着で、水の抵抗を極限まで減らすために縫い目はなく、キツキツの水着の中に無理やり身体を押し込んで使用するというものでした。

やはりヴェイパーフライやスラップスケートのように、レーザーレーサーを着用した選手が次々と従来の世界新記録を打ち破り、ほとんどの選手がレーザーレーサーを着用するという水着の革命をもたらしました。

ところがレーザーレーサーは「技術ドーピング」として、水泳界は規制の方向に動きます。

水着素材の浮力や素材、厚みまで細かく規制して、レーザーレーサーを追放してしまったのです。水着が体表を覆う面積まで規制するという念の入れようでした。

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ロードバイク。フレームのカタチだけは変わらない

わたしたちに身近なロードバイクですが、どうしてフレームが三角形(前三角と後三角)なのかご存知でしょうか? あれがもっとも走行効率のいい形だから?

ノン、ノン、違います。

ヨーロッパの自転車競走の世界に技術革新の嵐が巻き起ころうとしたとき、弱小フレームメーカーを守るために「前三角と後三角」の形じゃないとダメ! と業界がカタチのルールを決めたからなんですね。

「前三角と後三角」の組み合わせは、それほど複雑な形状ではないので、弱小メーカーでも大手資本に対抗できるカタチだったわけです。だから素材こそアルミニウムからカーボンに変わったりしましたが、フレームのカタチは昔から変わっていないのです。

ビンディングペダルエアロホイールなど技術革新の成果が導入されましたが、フレームのカタチだけは変わっていません。

これが日本の競輪になるとフレームの形状はおろか、素材の技術革新さえも認めていません。高額の資金力のあるメーカーが新素材の技術で競輪自転車をつくってしまうとギャンブルが成立しなくなるからです。

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厚底ランニングシューズの規制。靴底40mm。プレート一枚。市販

さて「技術ドーピング」に係るスラップスケート、レーザーレーサー、ロードバイクのフレームを見てきました。

スラップスケートは技術ドーピングとされずにセーフ。レーザーレーサーは技術ドーピングとされてアウト。ロードバイクはフレームの形状だけを決めて、素材の新開発は認めるというものでした。

みなさんはどの解決法がいちばんスッキリしたでしょうか? わたしの場合はロードバイクのフレームの規制の仕方がいちばん納得のいくルールだと思いました。

さて、ランニングシューズのナイキの厚底シューズ、ウェイパーフライの問題ですが、このように解決されたそうです。

「靴底の厚さ40ミリ以下、靴底のプレートは一枚まではいいが、二枚以上はダメ。4カ月以上前に市販されたシューズであること」

逆に言えば反発プレートが二枚以上入っている場合には規制対象になるということです。人類初マラソン1時間台(1時間59分40秒)で走ったケニアのキプチョゲ選手が履いていたナイキの超厚底シューズには、なんと3枚のプレートが装備されていたそうです。

またキプチョゲ選手のためにつくった試作・専用靴だったため、4カ月以上前に市販されたシューズであることという項目にも該当します。

この世界最速を記録した靴はダメなんですね。

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量産型ジムはいいけどガンダムは駄目、みたいなつまらない話し

この世界最速の靴(通称「アルファフライ」)を履いてみたいと思いませんか? わたしは試しに履いてみたいと思います。そしてこの靴を認めたっていいんじゃないかとわたしは思います。

靴底のプレートなんて20枚も30枚も入れられるわけないんですから、せいぜい3、4枚が限界じゃないでしょうか。プレートの枚数で勝負できる箇所ではありません。どうせもう限界に来ています。

それをプレート一枚に限定するなんて……ほとんど意味はないと思います。

市販された靴じゃないとダメだなんて、なんだか量産型ジムはいいけどガンダムはダメ、みたいな話しじゃありませんか? つまらない、と思うのは私だけでしょうか。

ロードバイクのフレーム規制のように、ランニングシューズの形状だけ決めて、あとは技術の進歩を競わせた方が面白いのに……と思います。

技術に投資した「高価なシューズ」になってしまうから、「金で記録を買う」みたいなことになってしまうと技術革新を批判する人がいます。靴も買えないような貧しい国の選手が不利だろう、というんですね。

はっきりいえばアフリカの黒人選手が不利で、アメリカや日本などお金持ちの国の選手が有利ってことです。

逆にわたしなんかは「ケニアエチオピアなど黒人選手ばかりが勝つマラソン業界で、せっかく白人選手が勝てるチャンスだったのにもったいない(ナイキはアメリカの会社)」と思いますね。だってどうせもともと不公平なものなのです。

その証拠にスキーやスケートなど冬季オリンピックで勝っているのは白人選手ばかりです。どうして夏季オリンピックでは圧勝する黒人選手たちが冬季では惨敗つづきなのか? おかしいじゃありませんか。

それは要するに「お金がないから」でしょう。練習できる場所(スキー場やスケートリンク)に通うだけのお金がないから勝てないのです。

このようにどうせもともと不公平なものなのです。冬季は不公平を認めて、夏季だけ認めないというのもおかしな話ではありませんか?

それに有力な黒人選手にはスポーツメーカーがスポンサーについてくれます。先の「アルファフライ」のキプチョゲ選手がいい例です。ランニングシューズは供給されるのだから、不公平なんてないのと同じです。

シューズの差はプロ選手と一般市民にこそ付きますが、アスリート同志には差はできません。一部の選手だけが特権を得られるというのはおかしな言い分です。

そう考えるとランニングシューズにどうして規制なんか入れるのかわけがわからないのです。

高価な靴? 量産すれば安くなるでしょ? それにはまず使用を許可しないと量産化なんかされるわけがないじゃありませんか。

みんながガンダムに乗りたいと思えばガンダムだって量産されるのです。量産型のジムでしか戦っちゃいけませんなんて、スポーツ界はおかしな規制をかけるものだな(バカだなあ)とわたしは思います。

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アリクラ・ハルト|note
雑誌『山と渓谷』『ランナーズ』に執筆歴のあるモノカキ。市民ランナーの三冠王(グランドスラム達成)。現在は仮想地球一周(二周目)に挑戦中。アウトドア派の旅人。世界旅行者。 ブログURL= ユーチューブ=grandma-cuisine

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速く走るための技術『踵落としを効果的に決める走法』
ランナーの一歩一歩は「かかと落とし」のようなものです。膝が伸びきったスピードゼロ地点で着地するのではなく、振り戻ってきた破壊力のある足で着地しましょう。そう。かかと落としを効果的に決めるように。

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「動的バランス」とは、動いていることでかろうじて維持できるバランス状態のことをいいます。自転車は進み続けている限り倒れませんが、止まると倒れてしまいます。「動的バランス走法」とは動いていることでかろうじて維持できるバランス状態のまま前に走りつづける走法をいいます。

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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
片翼の翼: なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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