小説のはじまりは「怒り」。詩聖ホメロス『イリアス』

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波間に浮かぶボトルの手紙を、インターネットの海に流しました。

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受け取ってくれて、ありがとう。

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「怒りを歌え、女神よ。ペレウスの子アキレウスの――」

これは世界最古の物語。ホメロスの『イリアス』の冒頭です。

世界中に物語はありますが、すべての物語の始祖はアキレウスの「怒り」から始まりました。

「愛」とかですべての幕があけそうなイメージがあるじゃないですか。

でも現実は「怒り」から詩と物語は始まったのです。

このページでは世界最古の物語に敬意をこめて、愛書家の作者が見どころを解説します。

【この記事を書いている人】

瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのハルトと申します。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。

初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した頭脳派のランナー。市民ランナーの三冠王グランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ホノルル、ユングフラウ、ロトルア、ニューカレドニアなど海外マラソン歴も豊富。月間走行距離MAX600km。雑誌『ランナーズ』で数々の記事を執筆していた物書きです。「頭のよさで走り勝つことはできるか?」その答えを書いたハルトの【サブスリー養成講座】を展開しています。

また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。

ローディー(ロードバイク乗り)でもあります。ロードバイクって凄いぜ!! 朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。

山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。

その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。インドネシア。マレーシア。ニュージーランド。タイ。ベトナム。カンボジア。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の27ケ国。NYとハワイを別とする数え方なら訪問都市は100都市をこえています。元帰国子女。国内では車中泊の旅で日本一周しています。

登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。

夢は海外移住。希望移住先はもう決まっています!!

※この稿の内容は以下のとおりです。

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英雄とは半神半人のこと。「何もできずにあっさり死ぬ」英雄もいる

『イリアス』とはトロイア戦争を舞台にした英雄物語です。

英雄といってもアメコミのヒーローとは違ってただの人間です。

もともと半神半人のことをヒーローといったようです。

だからこの時代の英雄というのは「凄いことをやってのけた人」という意味ではありません。

片親が神さまだという意味です。

アキレウスは母親が海の女神テティスです。父はただの人。

英雄は死すべき人種です。そこが神とは違うのですね。どちらかというと人間に近い。

だからイリアスに出てくる英雄は、英雄でも何もできずにあっさり戦死したりします。

そんな英雄でも「何もできずにあっさり死ぬ」世界で、本当に「偉大なことをやってのけた人」がまぎれもなくアキレウスです。

だからこそアキレウスは世界最古の物語『イリアス』の主人公とされているのです。

そして後世、アキレウスのような偉業を成し遂げた人のことをヒーロー(英雄)と呼ぶようになったのです。

偉大なり。アキレウス!

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アキレウスはもっとも力が強く、もっとも足が速く、いちばんイケメン

ホメロス『イリアス』中で、アキレウスはギリシア軍(アカイア軍)中、もっとも力が強く、もっとも足が速い英雄とされています。

二番目に力が強いのが大アイアース。身体がデカかったので「大」アイアースと呼ばれます。

二番目に足が速かったのが小アイアース。小柄だったので「小」アイアースと呼ばれます。

アキレウス=大アイアース+小アイアース(いいとこどり)+パリス(イケメン)

もっとも力が強く、もっとも足が速い、というのはキャラクターとしてなかなか成立しにくいと思いませんか?

シュワルツェネッガーとかザ・ロックみたいな男が「もっとも力が強い」キャラクターに当てられそうですが、どうみても「もっとも足が速い」ようには見えません。

ボディビルダーは足が遅いものです。アスリートならわかると思いますが、速さと力の両立ってとてもむずかしいのです。

そしてアキレウスは金髪でギリシア軍の中でもっともイケメンだったとされています。いやあ、どうやってアキレウスをイメージしましょうか。身近にはいなさそうな完璧な男です。

ちなみに映画『トロイ』ではムキムキに鍛えたブラッド・ピットがアキレウスを演じていました。

何とか万人を納得させるギリギリのキャスティングだったと思います。

ちなみにこちらのページで「アキレウスをイメージできるのは、あなたの脳内イメージしかない。映画や漫画よりも文章の方が優れているところがある」ということを書いています。興味があったらご覧ください。

商品が売れない。ポップ(セールスライティング)で売る方法
「文章は、読み手の想像力を刺激するように書くものだ」『人を操る禁断の文章術』の内容をひとことでいうならば、そういうことになります。最高の美女を表現できるのは文書だけだ。文章では伝えられないことが多すぎる、と絶望していた私にとって、これは啓示でした。
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空想都市トロイは実在した。アキレウスも、ゼウスも?

現実にはそんな完璧な男はいないよ。架空の物語だからそんな「完璧野郎」を登場させられるんだ。

そう思ったアナタには強烈な反論を加えましょう。

かつて『イリアス』は架空の物語と思われていました。トロイア戦争なんて伝説だと思われていたのです。

しかし神話上の架空都市トロイ(イリアス)を現実と信じたドイツ人ハインリッヒ・シュリーマンによって、トロイは発掘されました。

トロイは現実に存在したのです。

だったらアキレウスだって存在したかもしれません。

ゼウスアテナアポロンだって……さすがに存在しないか(笑)。

結果論になりますが、シュリーマンが英雄叙事詩『イリアス』を現実だと信じたのは無理もないなあと思うところが多々あります。

たとえば作品中、トロイア戦争に参加する軍容が延々と述べられているところです。

これが現代の物語だったら「総帥アガメムノン率いる総勢✖万人」で済ませてしまうような箇所を、聞き手(読者)が興味を失ってしまいかねないほどのアンバランスさで〇王率いる✖人、△王率いる□人……と延々と軍容が語られます。フィクションにしては軍容を詳しく書きすぎています。

なぜこのように詳しく王の名前と兵士の数を述べなければならなかったのでしょうか?

答えはひとつ。それが歴史的事実だから。ということ以外には考えられません。

出兵した地方の人たちの功績を讃える意味で延々と語ったのでしょう。軍功帳みたいな意味があったのだと思います。

主役級の二人の名前がアイアスなのも、どうかな? と思います。
もし現代の作家がフィクションを書くなら、別の名前にしたはずです。

それが同じ名前ということは……事実だったから、と考えられるのです。

逆に『イリアス』を架空の物語と思った人たちも「無理ないなあ」と思わせるところが多々あります。

たとえばそこに描かれる人間の行為がすべて神々のおかげだとされているところなどです。

運命論(人間に自由意思などない)のように、『イリアス』ではすべてが神のたまものという世界観です。
討ち取ったのも神のおかげ。戦死したのは神の恨みを買ったから。いくさの勝利も敗北も神のご機嫌次第というように『イリアス』では描かれています。

それが本当なら、武技を鍛える暇があったら、祭壇に祈りを捧げた方がいいですよね?

私はこれを古代人の信仰心の厚さの証明ととらえています。

このように『イリアス』ではいたるところに神が顔を出すために、日本の『古事記』が神道の神様にとってバイブルであるように、ギリシア神話の神さまの物語を伝える役割というのを果たしています。

天照大神が古事記に登場するように、ゼウスがイリアスに登場するということです。

 

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人間くさい悩み、感情は古代人も現代人も同じ

さて、最古の物語を展開させた脚速きアキレウスの怒りとはどんなものだったのでしょうか?

遠矢の神アポロンにより愛する女クリュセイスを取り上げられてしまった総大将アガメムノンは、配下の将アキレウスの愛する女ブリセイスを取り上げることで溜飲を下げていました。

弱い者たちが夕暮れ、さらに弱いものを叩く~♪

おさまらないのはアキレウスです。権力を笠に女を奪われるなんて恥辱です。

そもそもパリスに愛する女を奪われた恥辱からトロイヤ戦争をはじめたのに、その張本人が人から愛する女を奪うとは何ごとか、というわけです。

愛する女を奪われる恥辱を知るのはアガメムノン兄弟だけだと思っているのか?

という非常に人間くさい怒りが、世界最古の物語をスタートさせるのです。

社長にさからう社員のような立場がアキレウスです。

しかしゼウスの愛するテティスの子アキレウスなしにトロイヤ戦争は勝てません。

負けそうになったギリシア軍の総帥アガメムノンは、アキレウスの機嫌をとるために奪った女ブリセイスを返した上でさらに「お詫びの贈り物(補償)」を提案するのですが、誇り高いアキレウスは受け入れません。

大アイアースはアキレウスの態度に憤慨します。

「兄弟やわが子を殺されて、殺した者から補償を受け取ったものはいくらもいる。殺した側の償いはそれしかできないし、殺された側がはやる胸を抑え心を静めるには補償を受け取るしかないではないか」

と、現代の損保の社員みたいなもっともなことを言います。

人間のプライドや悩み、嫉妬などは昔から変わらないんだなあ。。。そう思いませんか?

ちなみに大アイアースは、ギリシアの諸将が自分を評価しないことを嘆き、彼らのために戦うことの虚しさから自刃して果てるのです。

ヒジョーに人間くさいと思いませんか?

今なら自分を評価しない会社を退社するみたいな行動です。

紀元前800年ぐらい前から、人間の感情って全然変わっていないんだなあ、と感動さえおぼえます。

ギリシアの神々は滅んだけれど、人間らしい気持ちは消えてなくなったりしませんでした。

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✖✖はレベルが上がった(まとめ)

古今東西、たくさんの書き手がいました。

小説家、物語作者、随筆家、詩人、新聞記者、このようなブログの書き手もその中の一人です。

『イリアス』『オデュッセイア』の作者。物語の父ホメロスは盲目だったといいます。

紙のない時代の人です。

おそらく執筆者というよりは語り部と言った方が正確でしょう。

盲目ゆえに音楽や語り部になることは、健常者に比べて不利が小さかったこともあるのではないでしょうか。

偉大な作品を残したものです。

もしかしたらホメロスの作品制作の動機も「怒り」だったのかもしれません。

怒りというのは物事を成し遂げる大きなエネルギーとなります。

怒りがなかったらアキレウスは英雄になることはなく、また若くして滅ぶこともなかったことでしょうね。

世界最古の英雄叙事詩『イリアス』。

絶対に読んでほしい本のひとつです。

電子図書kindleの使い方については下記を参照してください。

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※マンガ版も出ています。オデュッセイアというのはイリアスの続編みたいなものです。ワンピースの元祖だと思ってください。

聖なる詩こそオーディオブックで聴きたい

オーディオブックという「聞く読書」があります。

オーディオブックは究極の文章上達法
究極の文章上達法はオーディオブックを聴くことだと思っています。なぜなら言葉というのは語感で覚えているからです。 語学が得意な人は耳がいいのです。

盲目の詩人が書いた『イリアス』『オデュッセイア』やミルトン『失楽園』など、詩といわれる文学ほどオーディオブックで聴きたいものです。

私はオーディオブックは究極の文章上達法だと主張しています。

盲目のホメロスやミルトンが耳から得たものから聖なる詩を紡いだことこそ、私の主張の証拠ではないでしょうか。

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オーディブルの使い方

  1. 最初の一冊は無料。
  2. その後は月額1,500円。
  3. 毎月ワンコインがもらえて、ワンコインを一冊と交換して聴ける。
  4. 入会二カ月目にはコイン2枚(二冊)、三カ月目にはコイン3枚(三冊)のオーディオブックを聴くことができる。
  5. オーディオブックは返品できる。返品するとコインが戻ってくるので、別の一冊と交換することができる。
  6. つまり図書館で借りているように、無限に「聞く読書」が楽しめる。

私はオーディオブックは究極の文章上達法だと思っています。

オーディオブックは究極の文章上達法
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今なら30日間も無料体験を実施しています。

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プロフィール


サンダルマン・ハルト。雑誌『ランナーズ』等に執筆歴のあるライター。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。サブスリーランナー。グランドスラムの達成者(100kmサブテン。富士登山競争登頂)。スイス・ブライトホルン。マレーシア・キナバル山。台湾・玉山ニイタカヤマ。南アルプス全山縦走など登山歴も豊富。キャンプ・車中泊マニア。アウトドア派の放浪の旅人。現在、仮想地球一周ランニング中。
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