ロードバイクに向いている地域とは(関東編)

自転車・ロードバイク
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どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?

私の住んでいるところは関東平野の中ほどです。ウェイクアップ・ランニングで川の土手に登ると、晴れた日には富士山がよく見えます。日光男体山も、筑波山も見えます。遠くの山が非常によく見えるのです。それは遮蔽物が何もないということです。里山のようなものさえありません。どうしてこうも関東平野は真っ平なのでしょうか。

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果たして日本はそんなに国土が狭いのか?

かつて私は怪我で走るのを止めていたことがあります。スポーツ新聞に上位のランナーとして名前が掲出されたのと引き換えに、右膝の前十字靭帯損傷してしまったのです。膝が安定せず、走るとカクンと膝が抜けるような状態でした。

つらい日々でした。

このような状態では気持ちよく走ることなどとうていできません。快走時代のイメージが忘れれなかった私は、とうとう走るのを止めてしまいました。

するとランニングのご褒美である脳内モルヒネが供給されずに、中毒者が禁断症状を訴えるように、人生から輝きというものが失せてしまいました。

何をやっても鬱々と面白くない暗い日々でした。

そのような暗い日々から何とか抜け出したいと心の格闘を続けていました。

そして「そうだ。インドに行こう」と突然、旅立ったのです。

ヤケクソ傷心旅行というやつです。

インドといえば下痢がつきものです。旅のイニシエーションとしてほぼすべての旅人が体調を崩します。

これが現役のサブスリーランナーだったら、わざわざ体を壊すようなところに行くという選択肢はないでしょう。必死に流してきた汗が無駄になります。

しかし、もはや走ることさえできないのです。いまさら体調を崩すぐらい何でしょうか。むしろ行くなら今しかありません

会社に休暇届を出して、私は北インド旅行に行くことにしました。ベナレス(バラナシ)のガートが見てみたかった。

ガンジス河のガートには有名な火葬場があります。

死を感じることは、生を感じることと同じだという思いが私にはあります。

あの頃は生きる劇薬のようなものが欲しくて、まさに西天取経の旅だったのです。

西へ向かうぞ。ニンニキニキニキニン。西にはあるんだ夢の国。ゴーゴーウェスト!

インドへは格安旅行会社のツアーを利用しました。当時はまだ今ほど本格的なバックパッカーではなかったのです。

インドは広大で、移動に時間がかかります。限られた時間で、見どころを何カ所も回りたい、となるとツアーを利用した方が便利です。

ド平日のツアーだったため、参加しているのはほとんど女性でした。

その中の一人がこの『ドラクエ的な人生』の人気5大記事の一つである『マッサージ・足裏のプチプチ。クリスタルデポジット』の主人公である女性です。

男性は私ともう一人、定年退職して家族と旅行に来たという元大学教授の二人だけでした。

なにぶん移動時間が長いために、ツアー客同士、話す機会がたくさんあります。会話の中で、私と元大学教授はちょっとした議論になりました。

それは「果たして日本はそんなに国土が狭いのか?」というテーマです。

そりゃあインド亜大陸に比べれば日本は狭いですよ。

でも元教授があまりにも「インドは広い。日本は狭い」と繰り返すので「いやそんなに日本は狭くないですよ」と主張する私と議論になったのです。

まあ、暇だったんですね。広いからインドは(笑)。

さあ。戦いのゴングが鳴りました。

「狭い日本とよく言うが、世界の国々の中でそんなに日本が狭いかといったら、そうじゃないんじゃないか」

それが私の主張でした。すくなくとも、どう見ても韓国や台湾よりは広いはずですよね。

調べてみると、日本の面積の世界ランキングは61位だそうです。世界には約200か国ありますから、やはり私が直感的に思った通り、決して日本は狭い国土ではないのです。

フィリピンやベトナム、ドイツやイタリアよりも日本の総面積は広いのです。なかなかのものです。

どうですか? この議論は私の勝ちではないでしょうか。

ところが元教授の一言で形勢は引っくり返ります。

たしかに総面積は小さくないかもしれないが、国土のほとんどが山地ばかりで有効利用できる面積が小さいんだよ。だから狭い日本なんだ

私は固まってしまいました。ぐうのねもでません。どうやら議論は私の負けのようです。

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関東平野はびっくりするほど真っ平

日本最大の平野、関東平野のド真ん中あたりで暮らしていると、国土のほとんどが山地で有効利用できないということが、あまり実感できません。

関東平野には山がなく、ほとんど真っ平で、だからこそ富士山と男体山と筑波山が同時に見られるのです。視線を遮る他の山がないためです。里山すらありません。

たとえば富士山は名古屋を過ぎる(下る)ともう見られません。手前に大きな山があるからです。

ずっと関東で暮らしていると、日本全国似たような景色が広がっているものとつい思ってしまいます。ところがそうではないのです。

京都がいいのは山が近くにあるせいではないでしょうか。銀閣寺も、清水寺も、背景になる山がないと美観は成立しません。五山送り火(大文字焼き)も山があってこそのものです。京都は湧水が多く美味しいお茶が飲めると言います。それも山があってのことです(山の絞り水)。

大阪も山が近いですよね。奈良なんか山の中にある街です。

関東人は、一般的な日本人とは違う景観の中で暮らしているといってもいいかもしれません。

元教授は関東の方ではありませんでした。ご自身の実感として「山」を身近に感じていらっしゃったのではないかと思うのです。日々、山を見慣れていたのだと思うのです。その「実感」が関東人の私には足りませんでした。

私は「青春18きっぷ」で日本一周しています。「車中泊の旅」で本州をぐるりと一周しています。だから関東人ですが、元教授の一言がたちどころに理解できました。

元大学教授の言葉に負けを認めるしかなかったのです。

なんで関東平野だけがこうも真っ平なのか、不思議だと思いませんか?

江戸時代には日比谷あたりまでは海だったと言います。それを神田の山を削って埋め立てたのだとか。

また江戸は堀や水路を張り巡らせた水の都だったといいます。昔はトラックがないために、重たい荷物は船で運ぶのが一番効率が良かったのです。京橋とか泪橋(「あしたのジョー」のあの橋です)とか今は地名でしかありませんが、元々は本当にそういう名前の橋があって、下に川が流れていたのです。

利根川の東遷を知っていますか? 坂東太郎・利根川はもともと銚子の方に流れる川ではありませんでした。江戸を利根川の水害から守るために、川の流れを人工的に変えたのです。

当時は重機(バックホウ)もなかったわけですから、すべて人力です。たいへんな作業でした。徳川将軍の権力の大きさがわかります。それらの土木工事で掘削した土で東京湾を埋め立てたようです。

しかしいくら何でもすべての里山を人力で削って真っ平にできたわけがありません。川なら何とか人力で掘削できそうな気がしますけど、山は無理でしょう。大岩が出てきたらもうお手上げです。どうにも動かせません。やっぱり関東は元々平野だったのでしょう。

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ロードバイクは移動そのものが目的の遊具

元大学教授の言葉に、素直に負けを認めたのにはもう一つ理由があります。

私は自転車をやります。ロードバイク乗りです。ロードバイクに乗っていると、ときどき自分の住んでいる場所に物足りなくなることがあります。

もうちょっと近場にいい山はないものかな、と。山で自転車に乗りたくなるのです。

汗が出てハアハア喘ぐほど必死に自転車で走るには、まっすぐな道をフルスピードで飛ばすしか方法がありません。ロードバイクは市街地の信号や、直角に曲がるのは苦手ですから、自分を追い込んでトレーニング的に走りたいと思ったら、何もない川の土手とか農道をガンガン飛ばして走るしかないのです。

どうです? 面白そうですか? つまらなそうでしょ(泣)。

抵抗が風ばかりで嫌になるときがあります。ときには「坂という抵抗」を味わいたいのです。

時には峠に向かって軽いギアをクルクル回して、ハアハア喘ぎながらゆっくりと登ってみたいのです。

もちろん猛スピードの下りも。ああ。さぞや気持ちがいいでしょうね。

ときどき「自分はクライマー(山登りが得意な自転車乗りのタイプ)なんじゃないか」と思う時があります。とくに仲間とスピード勝負で負けた時には「平地で負けても、クライム勝負すれば負けないはず」と負け惜しみぎみに思うのですが(笑)、関東にはそれを証明する場所がないのです。そのためには筑波山とか日光とか青梅とかに行かなければなりません。

ときにはみんなで山道をツーリングしてみたい。平地は飽きた。

真っ平の関東では軽いインナーギアなんて使う機会がありません。こんなギアいらない!

「関東って山がないよなア」というのは、本格的にロードバイクに乗るようになってから、ずっと思っていたことだったのです。だから元教授の言葉が胸に響いてきたのです。

そのことは普段はあまり意識しません。平地ゆえに「楽に移動できている」恩恵をたっぷり受けていても、それが当たり前で、ありがたいとも思いません。坂の町で生まれ育った人は違った感想をもつのだろうと思います。

生活がすべてだというのならば、車で移動したりする分には、真っ平の方がガソリンも食わないし、楽でいいのです。

しかし「遊ぶ」というのならば話は別です。登山するにも、散歩するにも、ジョギングするにも、ロードバイク乗るにも、遊ぶには近くに山があった方がいいのです。

スポーツ自転車に乗るようになって、はじめて山を欲するようになったのです。

ロードバイクは移動のための手段ではありません。移動そのものが目的の遊具です。

林道は気持ちが癒されます。アップダウンはトレーニングには最適です。近くに山があった方が目が休まります。人間の目は際限なく遠いところは見る気になれません。ほどほど遠い景色だから見る気になるのです。

飛鳥も、奈良も、京都も、鎌倉も、古都はたいてい山に囲まれた場所にあります。軍事上とか、水の問題とか、いろんな理由があるのでしょうが、日本人は近くに山が見える場所が単純に好きだから、なのではないでしょうか。

最高権力者は、最高に気に入った場所に住むはずです。

女性に人気があるのは長崎とか函館とか「坂の街」だと聞きました。景色が立体的になるのがいいんでしょうね。

人生のほとんどを真っ平な場所で過ごすことになってしまいましたが、私は山が好きです。

真っ平の関東は、ロードバイクに向いている地域といえるでしょうか。「乗らない人」はそう思うでしょう。「真っ平の方が楽でいいじゃん」と。

しかし「乗る人」から見ると、近くに山道がある地域の方が、ロードバイクに向いている地域のような気がしてしまうのです。

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プロフィール


温人ハルト。雑誌『ランナーズ』等に執筆歴のある物書き。サブスリーランナー。グランドスラム達成者(100kmサブテン。富士登山競争登頂)。スイス・ブライトホルン。台湾・玉山。南アルプス全山縦走など登山歴も豊富。キャンプ・車中泊マニア。西天取経の旅人

このサイトについて

はたして放浪のバックパッカーは社会復帰できるのか!? 自由と社会との折り合いを模索するブログです。

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