ビーチリゾートに移住するという選択肢

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どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅をつづけていますか?

パートナーのイロハは、先日の沖縄旅行が気にったのか、時々「沖縄に移住したい」的な発言をして私をギョッとさせます。

確かに沖縄旅行は楽しかったですよ。いいところです。パスポートを持ち歩かなくていいだけで気安さが全然違います。両替も必要ないし。

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不可思議なもの、汝の名は女

イロハは若い頃はボディボーダーだったので、ウェットスーツの形に日焼けのラインがついて手足がポッキーのようだったという武勇伝をもっています。

しかし今は日焼けを嫌っています。美白にめざめた元ポッキーウーマン。彼女の日焼け対策は徹底しています。

ドライブ中の日焼けも気にするほどで、ランナーが真冬に装着するアームウォーマーを真夏に日焼け防止につかってるほどです。

旅の必需品。愛用のクローマーも「日焼け防止」にもっとも活躍しています。本人はオシャレのアクセントのつもりでしょうが。

そんな人間が亜熱帯の沖縄なんかで暮らしたら、どんな暮らしをしなければならないか、容易に想像がつきそうなものです。

関東ですら夏は「日焼けしないように日陰から日陰へと移動する」可哀そうなイキモノと化しているのです。真夏の盛りには「今日は暑すぎてどこにも行きたくない」と冷房の部屋からまったく外に出ない日もあります。

真夏は道路の真ん中を歩くことは決してなく、ドブネズミのように道路の隅から隅を、物陰から物陰を忍者のように歩いているのです。

そんな人間が、沖縄なんかに移住したら、年中、「お天道様を避ける日陰者」のような暮らしが待っていることがわからないのでしょうか。

元ボディボーダーだったので、その頃の楽しさを取り戻したい思いが時々あふれ出してしまうのかもしれません。

その瞬間のパッションを冷静に静止するのが、男の役目だと思っています。

私にとっても、車中泊族としても、ランナーとしても、サイクリストとしても、夏はふさわしい季節ではありません。

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リゾートの非日常性

短い滞在中、我々が沖縄でしたことは「国際通りで沖縄みやげを物色」「居酒屋でテビチとオリオンビール」「辺戸岬で海を眺める」「オクマビーチでお昼寝」「美ら海水族館」「サンゴ染め体験」など、およそ日常生活とは関係のないことばかりです。

ところが移住するということは「暮らす」ということなのです。

およそ「暮らす」とは関係のないことばかりした短期旅行を基準に「移住」を考えるというのは、短絡的すぎる気がします。

非日常的といっていいほど、お金も使いまくっています。毎日居酒屋でオリオンビールをやれるわけがありません。

だから私は外国のことは「暮らしてみなければわからない」と思っています。短期のツアー旅行で語れるのは自分たちの体験だけであり、その国のことは何も語れません

「自分のこと」しか語れない。それが人間たるものの限界であるのかもしれません。

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外国に移住するということ

あまりな物価の差に、外国で暮らしてみたら、と思うこともあります。

ビザの問題をクリアすることが必要ですが、平均年収が1/10の国に移住すれば、単純に1年の生活費で10年暮らせるようなものですから「ちょっと今から仕事やめてくる」がリアルに可能です。こういう国で美しいビーチリゾートな場所はいくらでもあります。

しかしそれには現地の暮らしに馴染まなければなりません。日本の暮らしを基準に「日本では……」と不平不満を言うような人に移住は向いていません。

外国で暮らすというのは、自分が無力な子供になるのと同じです。

言葉が話せず、社会のシステムもわかりません。

たとえば外国では、バスに乗るのさえ躊躇することがあります。

そもそもバスは行き先がよくわかりませんし、支払いも専用プリペイドカードがないと払えない場合があります。強盗対策で車内で現金をやり取りしない場合があるのです。支払いもお釣りがちゃんともらえるのか、わかりませんよね? 日本でも地方のバスでは一万円札ではお釣りがないということはよくあります。その国によって前払いなのか後払いなのかも違います。

バスひとつとっても困ります。でもその困ることを面白いと感じられるかどうか。

子供の時は、やはりこの日本社会のことを何一つ知らず、ひとつひとつ覚えていかなければならなかったのです。

もう一度、それがやれる。いわば人生をやりなおすことができるのです。子供の頃からもう一回。何も知らなかった幼い日々を追体験することができます。

外国は、人にものを教えてもらうのが嫌いな人。今の自分を捨てられない人には向いていません。先生から生徒に戻れない人に外国は向いていないのです。

たとえば企業の地位を自分のアイデンティティにしているような人。そんな会社内の地位は外国では全く通じませんし、そもそも意思疎通もできない子供のような能力しか持っていない人が威張っているなんて滑稽なことです。

そういうものをポイっと捨てられる人だけが、外国に移住して楽しむことができます。

暮らすならやはり四季のあるところがいい。もちろんほどほどの気温のところで。

なかなかそんな都合のいい場所はありませんが。

だからこそ楽園探求の旅に終わりはないのです。

しかし外国であれ、日本であれ、今住んでいるところで楽しめない人は、たとえどんなところに移り住んだとしても、楽しめないのではないでしょうか。

楽しい人生を送るためには「感じ方」が重要なのだと思います。

その点、イロハはすばらしい才能の持ち主なのですが、そういう人が「沖縄に移住したい」とか言い出すから、私にはわからなくなってしまうのです。

「いや、夏、嫌いじゃん! なんで?」

他人の考えることは、まことによくわからないものですなあ。

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~~このサイトについて~~

比叡山の大阿闍梨(千日回峰行者)様を超える生涯走行距離の中で走りながら感じたことをサブスリーランナーが綴るコラム。

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プロフィール


サンダルマン・ハルト。雑誌『ランナーズ』等に執筆歴のあるライター。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。サブスリーランナー。グランドスラムの達成者(100kmサブテン。富士登山競争登頂)。スイス・ブライトホルン。マレーシア・キナバル山。台湾・玉山ニイタカヤマ。南アルプス全山縦走など登山歴も豊富。キャンプ・車中泊マニア。アウトドア派の放浪の旅人。現在、仮想地球一周ランニング中。
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