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小説『結婚』作者:アリクラハルト。第一章から第八章まで

第一章アスカの過去と母の祐希の過去が重なった。二人はあまりにも似すぎていた。ひとつだけ違うことは、母は死を選び、アスカはひたすらに明るいことだ。しかしその明るさがツバサの心を苦しめた。なぜ母はおれを置き去りにして自ら死を選んだのか。少年の日...
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三大幸福論。アランの「幸福論」

幸福論を読んだからって幸福になれるわけではありません。どちらかといえばわたしは悲劇の物語を読んだときの方が、自分の幸福を感じることがあります。彼らはきっと幸福な気持ちを瞬間燃えるように感じて生きたんだろうなあと感じるからです。
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小説『片翼の翼』作者:アリクラハルト。第一章から第九章まで

自作小説『片翼の翼』を公開します。読みやすい媒体で読んでいただきたく思います。
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【紹介系の弊害】あらすじ本、勉強系・読書YouTubeチャンネルよりも読書は原本にあたれ

読書チャンネルやあらすじ本などの紹介系だけで知った気になっていませんか? あなたの人生に影響をあたえたはずの珠玉の知恵や文章を、紹介系だけで済ませると見過ごしてしまう可能性が非常に高いことを知ってください。原本を読まなければだめなのです。
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トルストイ民話集『イワンのばか』キリスト教は愛の宗教か?

キリスト教を愛の宗教だという人がいますが、詐欺師です。一部が正しいからといって全部が正しいとはかぎりません。キリスト教の本質は「信じれば生き返ることができる」というよみがえり信仰なのです。いいこと言っていると認めることと、信仰することは違います。
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バチェラー・ジャパンのほうが、バチェロレッテ・ジャパンよりも面白い理由

女は寝る前に情熱メーターが振り切れるほど男に惚れることはまずありません。そして男を天秤にかけるというのも、その姿勢だけで貴婦人(バチェロレッテ)にふさわしくないと判断されてしまいます。だからバチェロレッテはバチェラーほど見ていて面白くないのです。
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ウィリアム・フォークナー『八月の光』黒人差別や女性蔑視。もはや時代遅れの感覚が、人間として避けようのない宿命のように大袈裟に描かれている小説

『八月の光』で主役をはれるのは苦悩があるクリスマスです。超克のあったハイタワーは批判者にすぎず、時代の評価に耐えられる生き方をしたリーナは主人公を張ることができませんでした。とっくに解決済みの問題を、避けようもない宿命だなんて大袈裟だ、というのが本作の大欠点だといえるでしょう。
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『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北朝鮮が統一された後に、韓国は北朝鮮の核爆弾を手放すだろうか? 統一韓国は核保有国になる。

小説『ムグケノ花ガ咲キマシタ』を読むかぎり、統一韓国は核保有国になるのではないか、という気がします。「アメリカなど強国の意志に屈服するな、韓民族よ誇りを持て。そのためには核保有国になるべきだ」というスピリットがこの小説を大ベストセラーにした要因だからです。
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スタインベック『怒りの葡萄』車中泊の元祖。車中泊文学の代表的傑作

『ローマの慈愛』という絵画のモチーフがあります。餓死刑に処された父親を救うために、娘が母乳を飲ませるという作品です。スタインベックは『怒りの葡萄』という物語のラストに現代アメリカの「ローマの慈愛」を持ってきました。
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ヴィクトール・フランクル『死と愛』子供のいない女性は無意味なのか? 生きること。人生の意味を問う格好の命題

生きることが意味を持っていないならば、たとえ無限に子孫を残し得ても何の意味も持っていない。子どものいない女性が無意味であるとするならば、人間はその子供のためにのみ生き、その実存の意味はもっぱら次世代のうちに存ずるということであるが、各世代はこの問題を解決せずに次の世代へ押しやるに過ぎない。
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トルストイ『イワン・イリッチの死』死とどう向き合うかは作家の執筆動機の筆頭。死の直前の回想は作家なら誰もがモチーフにしたい状況

死ぬ直前の文豪にしかわかりえない人生の秘儀、そんなものは「ない」のです。文豪にしか書けない「命の結論」「人間の生き方の隠された秘密」みたいなものは何もありません。それを知るために、本を読むのです。自分の死に自分が納得するために。
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ピーター・フランクル『世界青春放浪記』ユダヤ人問題は被差別部落問題に似ている。人間の集団は差別せずにはいられないのかもしれない。

「イエスが裏切られて十字架の上で死ぬ」というのは定められた神の計画の一部です。そういう意味ではユダに自由意思はありませんでした。だって神の計画を実行した駒に過ぎないんですから。だれが神のプランに逆らえるでしょうか。むしろ選ばれた人だともいえます。
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ニコス・カザンザキス『その男ゾルバ』のあらすじ・書評・魅力・解説・考察

物語のラストで語り部はゾルバの訃報を受け取ります。その前に一度、緑の石を見に来ないかとゾルバから誘われていたのですが断っていたのでした。この緑の石は一種の象徴でしょう。ゾルバのダンスのようなものです。ゾルバから生き方を学んだ語り部でしたが、ゾルバのように生きることはできなかったのです。
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ジャコモ・カサノバ『回想録』世界一モテる男に学ぶ男の生き方、人生の楽しみ方

カサノヴァ回想録は、物語に何らのオチをつけることもなく唐突に終了します。回想録は実話であり、カサノヴァの老後には読者を楽しませるような語るべき内容はありませんでした(ないと作者が判断しました)。だから作者は物語を「書いている今」の手前で終わらせたのです。結論もオチもなく終了する物語。だがそれは人生そのものなのかもしれません。
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林芙美子『放浪記』の書評・魅力・あらすじ・解説・考察

読者は「知性」とか「現状分析」とか「解決策」ばかりを求めているわけじゃないのです。現状の感情、それを共有したかった。今、生きている人の生々しい言葉で。だから本作は売れたのだと思います。そしてその感情は普遍的なものだからこそ、時代を超えることができた。『放浪記』は時代を経るほどに作品の価値が上がっていくだろうと思いました。
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林芙美子『放浪記』老境の改作は改悪。作品はいちばん売れたバージョンこそ残すべきだ

作品は、いちばん売れたバージョンこそ残すべきだと思います。若い頃のヒット曲を齢をとってから後に歌い直したとして、聞きたいのは新しいテイクでしょうか、昔のテイクでしょうか?「改稿によって初版のもっていた魅力は薄れた」と解説者に解説されているのに、しれっと改稿決定版を出版する気がしれません。初版を出版しろよ。岩波文庫。
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4DX映画館で『アバター : ウェイ・オブ・ウォーター』を観た感想

アバターはモーションキャプチャーというスポーツの動作解析技術で、俳優の動作をそのままアバター(ナヴィ)の動きに取り入れて映画をつくっているそうです。つまりナヴィの動きは実質的に俳優の動きなのです。彼らは声優ではなく立派な俳優だったんですね。
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映画館で映画を見るより、動画のサブスクのチャンネルを契約した方が安くて楽しい

映画館で映画を見るより、動画のサブスクリプションを選択してしまいます。そのほうが、安く、長く楽しめるから。通年で加入するサブスクはアマプラのみ。その他は有料にせよ、無料にせよ、加入するのは一カ月だけと決めています。ずっと加入し続けるほどお金も時間もありませんので。
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クールジャパン。日本に憧れる外国人にはマンガ好き、アニメ好きが多い

活字とちがい絵は国境を軽々と超えていきます。ジュール・ベルヌなんか、時代の影響で小説家だったけれど、現代の日本に生まれていたならばマンガ家になっていただろうと思います。ベルヌのマンガ、読みたかったなあ。
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ロバート・ハリス『エグザイルス・ギャング』の書評・魅力・あらすじ・解説・考察

日本でエグザイルといえば男性ダンス歌手集団が有名ですが、ロバート・ハリスの方がはるか昔からこの言葉を使っています。ワンダラーとかボイジャーとかエクスプローラーとか似たような言葉がたくさんある中で、エグザイルを選んだのはロバート・ハリスの嗅覚、言葉に対するセンスに他ならないと思います。
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ヒッピー文化は滅んだが、断捨離、アウトドア、バックパッカーのルーツ・ご先祖さまなのだ

ヒッピー文化は敗北しました。でもわたしの人生を変える力はありました。すべてが消え去ったわけではありませんでした。その魂は今でも世界の各地に残っています。わたしのように影響を受けたものが、そのスピリッツを次世代につたえていけばいいのです。
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なんでベトナムはアメリカにジャングルで勝って、日本軍は南太平洋の密林で負けたのか?

アメリカがベトナムに投下した爆弾の量は、第二次世界大戦で日本とドイツに投下した爆弾の約2倍になるそうです。日本の戦史を読んでいると、敵の圧倒的な火薬量にさしもの日本兵もなすすべがなかった、という描写が頻繁に登場しますが、ベトナムはその二倍の火薬量に耐えました。物量の差があってもベトナムは勝ったのです。大日本帝国の戦史がいかにもおかしいということがわかるのではないでしょうか。
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映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は波動砲を撃ちすぎ。戦艦大和に対するリスペクトが足りない。

あまりに波動砲に頼っては、それはもはや戦艦大和とは何の関係もない別の船です。戦艦大和の艦首にあるのは菊のご門であって波動砲発射口ではありません。主砲もろくに撃たずに波動砲と艦載機ばかりつかっていたら、戦艦大和に対するリスペクトが足りないといわれてもしかたがないでしょう。
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山岡荘八『高杉晋作』の魅力・あらすじ・解説・考察

結核になったのも、若死にしたのも、飲んで騒いでどんちゃん騒ぎがひどすぎたせいではないかと思います。志士の会合というのも、どんちゃん騒ぎとワンセットでした。明日死ぬかもしれないという命がけの仕事をしていると飲まずにはいられなかったのかもしれませんが。
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図書館で予約した本を借りるときに困ったこと。「厚い」「古い」「旧字体」!!!

紙質がダメージを負いまくっている本とか、もはやほとんどの市民には読めない(読む気になれない)旧字体の本などは、もう現役から引退させてあげたらいいのではないでしょうか?普通に借りられる状態にある現役本ではなく、どこか本の歴史的価値を蒐集する博物館行きにしてしまえばいいのではありませんか?
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日本昔話しの類型。「どっちを選択しますか」選択肢パターン。欲深いよりもつつましいのが正解。

『おむすびころりん』や『はなさかじいさん』は、隣の強欲家族との比較だけれど、『舌切り雀』は夫婦の間で強欲とつつましさが分かれているのでさらに奥が深いぞ。そもそもこの夫婦はこれほど価値観が違うのにどうして夫婦円満なのだろうか?
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チャールズ・ディケンズ『オリバー・ツイスト』キャラ立ちではなく、作家が立つケース

『オリバー・ツイスト』の特徴は、主人公オリバーが無色透明だということです。おなじ少年が主人公のトム・ソーヤとかハックルベリーのような際立った特徴をもった少年ではありません。ただ善良なだけの気の弱い少年でした。最後は幸福になるのですが、自分の力で幸福を勝ち取ったというよりは、周囲の人が助けてくれたからでした。
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『ベルサイユのばら』(アニメ)の主人公はマリー・アントワネット? Wikipediaの間違い発見!

近代文学は「個人の心の大きな変革」を描くものです。成長する主人公、これがテーマです。その点、オスカルは文句なしです。貴族として生まれましたが、そのことに疑問をもち、貧しい庶民に同情し、エリートの近衛隊から庶民の衛兵隊に転属し、最後には民衆の側に立ってバスティーユの襲撃に手を貸します。平民のアンドレと恋をして、平民側に立ちます。心の中に革命が起こっています。太宰治の文学のようですね。
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ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』の魅力・あらすじ・解説・考察

メタバースにつくよりも、大地についた方がいい。どうやって生きていくべきか悩んだら、まだ誰も歩いていない新しい道よりも、先祖や動物たち、絶滅した過去のすべての生き物たちが歩んだ古い道を歩いた方がいいとわたしは思っています。
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山岡荘八『小説太平洋戦争』。日本だけが特別だと思うのがすべての間違いの元

問題は食料不足でした。山岡荘八は降伏したおかげで米司令官は食料不足の責任をまぬがれたと評しています。降伏したせいで捕虜の食糧不足が日本側の責任になってしまったのでした。
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【動画編集】実写映像・外国映画の「声だけ吹き替え」はどうやってるの?

【動画編集】実写映像・外国映画の「声だけ吹き替え」はどうやってるのでしょうか。背景音と俳優のセリフだけを集めた音声トラックが別にあります。だから「外国映画の吹き替え」の場合は、俳優のセリフだけを集めた音声トラック(ファイル)だけをアフレコすればいいのですね。背景音、効果音、音楽ファイルはそのまま使えます。
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ロバート・ハリス『ワイルド・アット・ハート』の魅力・あらすじ・解説・考察

美大生、アーティスト、ボヘミアン、ジャンキー、ドラッグディーラー、ニューハーフ、ファッションモデル、ギャングの大物、最高裁の判事、ヌードダンサー、パフォーマンスアーティスト。パンク。料理評論家、社会学者、弁護士、娼婦、ゲイの活動家、チリの知識人。トップレスバーのウェイターにバーテンダー。あらゆる種類の客
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アルベール・カミュ『異邦人』の魅力・あらすじ・解説・考察

「人間とは無意味な存在だ。すべては主観の問題だ」とカミュはいいたいのでしょうか。言葉にすればたったこれだけで誰もかえりみないものを、物語にして表現すると心に残ってしまうのですから、小説芸術はおもしろいなあ、と思います。
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世紀末デカダンス。オスカー・ワイルドの最高傑作『ナイチンゲールと薔薇』

『幸福な王子』のツバメは越冬できずに凍死(餓死?)してしまうのですが、『ナイチンゲールと薔薇』のナイチンゲールはみずから心臓を薔薇の棘に捧げます。心臓の血の赤が薔薇の赤色になるというイメージが、痛みをともなう強烈な読後感として残ります。
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災害関連死とは、災害がなかったら生きていたであろう人たちのこと

そもそも「同じ状況でも平気な人もいるんだから災害関連死とはいえない」と言い出したら、すべての心の病を否定しなければなりません。心の傷、心の病が人によって違うのはあたりまえのことなのです。
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ジュール・ヴェルヌ『海底2万マイル』ネモ船長は何を求め、何に復讐しているのか?

世界初の原子力潜水艦には、ノーチラス号という名前が付けられました。『海底二万マイル』に描かれた超潜水艦ノーチラス号の面影がイメージになかったと誰がいえるでしょうか。『海底二万マイル』はそれほど画期的なSF小説だったのです。
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『ぼくは日本兵だった』J・B・ハリス。とにかく「音」で必死に日本語を覚える。

日本軍の兵卒が書いた手記の中ではもっとも面白い部類に入るのではないでしょうか。視点がハーフだけに、そして憎めないキャラクターをもっているだけに、ひじょうに面白い本でした。いよいよぼくの活躍できる時代がやってきたのだ。なんとなくそんな予感がした。
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ヘルマン・ヘッセ『デミアン』デミアンは空想上の友だち。イマジナリーフレンドは自分自身

作者得意の寓話。デミアンは自分自身だった。ここではヘルマン・ヘッセ『デミアン』の書評をしています。1919年に発表された作品です。第一次世界大戦直後に発表されたものです。デミアンはデーモンからの命名だそうです。ルイ15世を暗殺未遂して八つ裂...
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ロバート・ハリス『人生の100のリスト』

ロバート・ハリスの世界が大好きな私ですが、それでも「彼が影響を受けた世界」が必ずしも大好きとは限りません。推奨する人が好きでも、推奨先を好きとは限りません。
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トルストイ『戦争と平和』知りたかった文学の正体がわかった!! 

この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、子どもの頃のわたしが抱いた幻想でした。そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上でさらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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経験知は一代限り。ノラ猫ですら人から逃げるのに、なんでツバメは人を恐れないの?

おそらくツバメはヒナ時代に見た風景のことをおぼえていて、それとよく似た場所に巣をつくっているのではないでしょうか?そうと考えなければ、次世代もその次世代も、営巣場所が市街地、人間のそば、ということの説明がつきません。
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コンラッド『闇の奥』は映画『地獄の黙示録』の翻案元(原作)

何もわかっていない人が「恐ろしい」というのと、酸いも甘いも噛み分けた人物が「恐ろしい」というのでは、言葉のもつ力が違います。カッコつけて、とりつくろって死ぬことをしませんでした。できませんでした。闇の奥で酋長のようにふるまっていた白人は「おそろしい……」と呟いて死んだのです。
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ジャック・ロンドン『海の狼』。生きることはギャンブル。人間はみんな生きること中毒

わたしもラーセン船長のように世の中を見ています。この世界を感じるには肉体をつかわなければならないし、肉体を使ってこその生きがい、生きている実感だと思っています。そしてこの肉体が動かなくなった時には、この世界を去るときが来たということです。
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ロバート・ハリス『地図のない国から』放浪の魂を読む。

アウトサイダーの反逆はまずは平凡な日常生活への憎悪といったかたちで現れます。彼は政治家や法律家ではありません。世の中の平安、安寧、ルールとか「みんながおまえみたいだったらどうなるんだ?」といった道徳的なことは一切考えません。とにかく自分が嫌だから嫌なのです。我慢がならないから我慢しないのです。そして衝動に身をまかせます。それが生きることだから。
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ロバート・ハリス『ワイルドサイドを歩け』walk on the wild side.

おのれの肉体を使って、二本の足で世界を旅する以上のことが、バーチャルの世界に待っているなんてことはインポッシブルなことだと思います。走っても汗も出ないし熱くもならない。寒さも痛みも感じない世界に、どれほどの生きている実感があるでしょうか。動物たちがやっているように生きることが正しいのだと確信しています。わたしたち人間もまた動物なのだから。
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ジャック・ロンドン『白い牙』逆ならわかる! なぜ作者はオオカミがイヌになる作品を描いたのか? 

放浪のホーボーとして自由無頼の青春をおくったジャック・ロンドンでさえ世の中と関わりながら生きていくものです。そのことがわかっていたから、ジャック・ロンドンは文明生活で愛されて安穏に暮らすホワイトファングのことを書いて残したのだと思います。
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ひろゆき『1%の努力』ゲーム感覚で生きる。ドラクエ的な人生

会社が赤字だから残業代をもらわずに無償で働くといったことは、まるで「肉屋を応援する豚」のようなものだというのです。いつか自分が殺されてしまう豚が肉屋の営業を心配するようなお人好しで、聞き分けのいい豚になっていませんか?
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ひろゆき『働き方完全無双』

ひろゆき「やりたくないことをやらされているという状況が人生において不幸である」。大きな野望は持たずに地方でダラダラ好きなことをやって暮らしながら、ネットでワンチャン当てることを狙う時代だとひろゆきはいいます。たとえばユーチューバーみたいな人たちのことですね。
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手塚眞アニメ『ブラックジャック』の低評価。人は死ぬもの。死を隠す意味がわからない。

日常生活では見ることができない「覚悟の死」「カッコいい死にざま」が見たかったのに、凡人の手によって改変され、日常にありふれた「生きのびる選択」「その後に続く平凡な日常」になってしまいました。手塚治虫本人が見たら激怒したか、あるいは泣いたんじゃないでしょうか。
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ロバート・ハリス『エグザイルス』の内容、あらすじ、おすすめの点

自分の道を行くということは、実際に旅に出るかでないかではなく、自分らしく生きたいと行動に出た人間はその時点で地図も海図も羅針盤もない長い航海へとすでに旅立っているのだろう。
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ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』学校によってスポイル・去勢される少年の物語

気づかなければ、外からあたえられた価値観を自分の中に取り込んで本当の自己を放棄して生きていけばいいのです。それはそれで楽なのでしょう。楽だから多くの人がその道を選ぶのです。しかし気づいてしまったら、もはや後戻りはできません。
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人類史上最大のベストセラーは『聖書』。二番目の『共産党宣言』

「プロレタリアはこれまでの社会秩序を暴力でくつがえさなければかなえられない、と公言する。支配階級は共産主義革命にふるえあがるがいい。労働者は自分の鎖のほかに失うべき何ものももたない。プロレタリアは世界を手にするのだ。万国の労働者よ、団結せよ」
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【旅人の主題歌】ウォルト・ホイットマン『大道の歌』。旅人の守護聖人

宇宙そのものが一つの道、多くの道、旅ゆく魂たちのための道だと知るために。暗いところに閉じこもっていちゃだめだ。でかけよう。ありとあらゆる形式から。でかけよう。かつて始まりがなかったように今は終わりのないそのものに向かって。
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ジャック・ロンドン『荒野の呼び声』「人間よ、野性にかえれ」という叫び

もちろんここでの犬は人間の比喩でしょう。飼い犬バックはひょんなことから野性の世界へと放り出されてしまいました。そこで過酷な体験に耐えて、自立を目指します。そのためにはおのれの中に眠る先祖の血、野性に帰らなければなりませんでした。『荒野の呼び声』が、動物が主人公なのにジャック・ロンドンの自伝的小説とされるのは、その行動が似ているからではなく、その心の流れが似ているからです。
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ディスニー映画『モアナと伝説の海』に登場する半神マウイは実在の神さま

マウイとはポリネシアの神格化されたプロメテウス的英雄。天国に括り付けた釣り針で海底に沈んでしまった陸地を釣り上げたり、空を持ち上げたりした。空を持ち上げてくれたおかげで四本足で這っていた人間は立つことができるようになった。太陽をつかまえて昼を長くした。
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ジャック・ロンドン『赤い球体』生首がいぶされて回転する怪奇小説

バセットとメドゥーサの共通点といえば、首が斬られて曝されるというところですが……敗者の真理、悪魔主義者みたいな発想なのかと思って真理=メドゥーサというのが気になりました。しかしただ≪真理≫と読んで、小説の上では何の問題もありません。
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【ケニングという修辞法】ベーオウルフ。かわいそうな「グレンデルの母親」名前ぐらいつけてやれよ!

ケニングという修辞を知りました。ケニングというのは北欧で中世に流行っていた修辞法だそうです。ハードボイルドな文体もときにはいいと思いますが、ケニングの文体もぜひ読んでみたいと思います。エスプレッソばかり飲んでいると、ときには違った飲み物を飲みたくなりますものね。
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ジョゼフ・コンラッド『ロード・ジム』リベンジマッチ。卑怯者は勇気を取り戻せるか

キリストがやったみたいなどんでん返しを示唆していると思いませんか? 一般的に十字架にはりつけにされて殺されることは「敗北」ですが、イエスはそのことによって「なしとげた」とすることによって敗北を超越しました。ジムもみずからを銃口の前にさらけだすことによって、約束を守り、過去の不名誉を払拭したのでした。
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DIE WITH ZERO。貯金を残さずゼロで死ぬ方法。死から逆算して人生を最適化する。

父親のように生涯ひとつの会社に定年まで勤めなければならないとか、サラリーマンだけが仕事の選択肢だとか、ブロガーやYouTuberは仕事じゃないとか、そういうのは偏見です。打ち破った時にはじめて、自分が偏見にとらわれていたことを知るのです。
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『ジャック・ロンドン放浪記』ホーボーって何だ? 無賃乗車・ただ乗りという放浪スタイル

自分を知っているものが誰もいない場所で、これまでの自分を捨てて、何もない自分として未知の風景の中に自分を溶け込ませること。宇宙に溶けること。それが放浪の真髄なのかもしれません。
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インド神話『ラーマーヤナ』のあらすじ。ギリシア神話との類似点

『桃太郎』が『ラーマヤナ』から影響を受けているのではないか、というふうに考える人もいます。とすると、その『ラーマヤナ』が『ギリシア神話』から影響を受けているわけですから、物語のルーツはギリシアにある、ということになるかもしれません。
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ドストエフ好きー? いや嫌い。『白痴』の内容、感想、書評

和訳された書物の場合、名前は統一した方がいいんじゃないでしょうか。どうせ日本人が読むものですから、ロシア本国の繊細な関係性なんて日本人にははかりしれませんし、それをとるメリットよりも、誰が誰だかわからなくなるデメリットの方がずっと大きいと思います。
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ヘルマン・ヘッセ『クヌルプ』おまえはさまよい歩き、定住する人々に、いささかなりとも自由への郷愁を伝えなければならなかった

みんなが同じ生き方をしているとき、そうでないものの生き様はそれだけで価値があると私は思います。定住し税金を取られる生活をしている者が、放浪しあたりまえの価値観に染まらないクヌルプを憧れの目で見つめたのは、そして軽侮の目で見つめたのは、あたりまえのことでした。今の自分じゃないなりたい自分になるために、今の自分を認めて許してあげるために。
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ヘルマン・ヘッセ『郷愁』個人には自分を完成する責任がある。地域や先祖のせいにはできない。

現代の私たちはヘルマン・ヘッセ『郷愁』ほど牧歌的な時代に生きてはいません。実存主義の世界に生きていて、個人には自分を完成する責任があります。先祖や地域の由来にすればいいという時代はある意味で今ほど生きにくい時代ではなかったといえるかもしれません。
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村上龍『イン ザ・ミソスープ』痛さによって目覚める。社会に染まることから、自分を取り戻す

≪黒い鳥≫は、個人を覆いつくそうとする社会の影響でした。その黒い影に覆われるということは、自分らしさを殺すことであり、他人時間を生きることでした。だから「おれはおれのことがわからなくなる」のです。自分の腕にガラスの破片を突き刺して痛さによって目覚めようとします。世の中に染まることから、自分を取り戻そうとするのです。
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哲学者ナンバー2プラトン『饗宴』少年愛を賛美する本。

ひたすら少年愛を賛美する本です。女性との性愛は肉欲だけだが、少年との性愛は精神的なもので男女のまぐわいより上質なものだと書いてあります。少年にとって年上男性との性愛関係は社会への登竜門であり、年上男性が少年を愛し訓育することは社会に対する奉仕であるかのように書いてあります。
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ニコライ・ゴーゴリの寓話『外套』無限ループの終わらない物語。ロシア革命の予言の書

幽霊を「主人公本人」と考えるか「主人公とは違う別人」と考えるかで、物語の解釈がだいぶ変わってきます。しかしどちらにしてもその後のロシア革命を予言するような書になっていることは間違いありません。
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モーパッサン『脂肪のかたまり』。文学界隈に出没する「性格のいい売春婦」という妖怪

追い詰められた戦時下では人間の本性が剥き出しになります。一般的に堕落と見られている売春婦が「いいひと」で、一般的に高潔と見られている逃避行グループの貴族たちが「人間のクズ」だったという作品です。
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ヘンリー・ミラー『南回帰線』のあらすじ・書評・魅力・解説・考察

≪永遠に理解されることのない、強烈な作品≫をものしようとするヘンリー・ミラー。はたしてそれはどのような作品になったのでしょうか。本書『南回帰線』そのものがその答えです。これまでにない強烈な作品をつくろうとした作者の野心がこの際限のない幻想、イマジネーションの物語をつくったのか。と感得できれば読んだ甲斐があったというものです。
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【読書】若いと、読めない!

若い頃の読書は、どんな生き方が描かれていても、自分もその生き方を選ぶことができるから、自分のこととして読むことができます。逆に、若く感受性が繊細すすぎると作品世界のヒリヒリした純粋さに影響されすぎて現実が辛くなる境地がありえます。本を読みましょう。
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【荒野のおおかみ】ステッペン・ウルフのあらすじ・書評・魅力・解説・考察

『荒野のおおかみ』は寓話です。もっと遊びたかった。恋したかった。ダンスしたかった。楽しみたかった青春。愛されたかった自分。二度と戻らない青春。一回きりの人生。果たされなかった思い。荒野のおおかみの叫び。そのことに気づいて、ケリをつけにいく物語がステッペンウルフだったのだと私は思います。
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プライマル・スクリーム(原初からの叫び)

万人に通用する理論なんてものはありません。人の傷、人の真理は個人的、具体的なものです。プライマリー理論にぴったりと合致する人がいます。そしてそうでない人もまたいるのでしょう。人の数だけ苦痛と解放の闘争があるのです。
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スティーブ・ジョブズはIT長者というよりも成功したヒッピーだ

スティーブ・ジョブズはIT長者というよりも成功したヒッピーだ生きているあいだにパソコンを、マウスを、USBを、ipodを、iPhoneを普及させて世界を変えたといわれるスティーブ・ジョブズ。彼のことをIT長者だと思っている人も多いと思います...
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【諸子百家】韓非子ってどんな思想家? 人物と死因

それはウサギが切り株に当たったような一瞬の出来事であり、時がすすめば今の自分の思想も世の中と会わなくなり古くなってしまう日が来る。韓非子も君主に近づいて、そして殺されてしまいました。「君子あやうきに近寄らず」も韓非子だったらよかったのにね。
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【怒る富士】富士山の大噴火。山頂が噴火してもっと高くなるか。

同時代の作品でも、外国の小説は風俗が違うので、SFやファンタジーのように読めたりするのですが、日本の小説だとそうはいきません。富士山の噴火を人間が短い生涯の中で見ることができる人は稀です。見たくもあり、見たくもなし、ですね。
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お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

人の知らない情報をもっていれば、小説家になれます。殺人のマニュアル本は出版できませんが、探偵小説なら微に入り細を穿ったリアルな描写で殺人を描いても何の問題にもならず、それどころかかえって高評価されることもあります。脱税の指南書は書けませんが、小説なら書けるし、むしろ褒められもするはずです。
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ジャック・ケルアック【ザ・ダルマ・バムズ】禅ヒッピー

出かける時がやってきたのだ。リュックサック大革命を起こしてやるのだ。禅の風狂の精神で放浪するんだ。「世界中をリュックサックを背負った放浪者で埋めつくしてやるのだ」ビートニクのこの願いはヒッピーたちによって程度実現しました。
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漫画家・松本零士は『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』の原作者だといえるのか?

こんな電車で旅したくねえよ(笑)。そう思わされるのが漫画『銀河鉄道999』です。漫画原作では例外の事件ばかりが描かれます。平穏な旅がありません。物語っていうのはこういうものなんですね。例外集、トラブル集といったほうがいいでしょう。例外を描くのが物語なのです。
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偉そうに? どうして無名の一般市民が世界史に残る文豪・偉人を上から目線で批評・批判できるのか?

認識とか、発想とかで、人生はそう変わりません。だから相手が世界的文豪でも、しょせんは年下の小僧の書いた認識に対して、おまえはわかってないなあ、と言えてしまうのです。それが年上だということです。涅槃(死。悟りの境地)に近いということなのです。
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ドストエフスキー『地下室の手記』自意識過剰な劣等感・対人恐怖症オタクの嫌われ遍歴

ぼろぼろの部屋着姿を見られたことを一生根に持つのです。涙を見られたことを許す気になれません。生々しい真実の告白も聞かれてしまいました。そのことが許せないのです。彼女に跪くことで、彼女を憎むようになるのです。虚栄心が傷つくからです。
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キリスト教が世界一の信者数を誇る不滅の宗教であるのはなぜなのか?【獄中記】オスカー・ワイルド

イエスは一編の芸術作品も残しませんでした。しかし彼の生涯が至上の芸術作品でした。「人間が芸術を欲する限り、最高傑作であるイエスの生涯は、決して滅ぶことはない」とオスカー・ワイルドは主張したのです。イエスの肉体が残した生涯・思想は、永遠の命を得たということです。
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韓流ドラマ『愛の不時着』日本語吹き替え版と字幕版の表現・ニュアンスが微妙に違う理由

口が動いているあいだは喋っていないと違和感がでてしまう。吹き替えの場合、日本語のセリフの長さと俳優の口が動いている長さが同じだよ。同じぐらいの時間になるように調整してるんじゃない? 画面の口が閉じてるのに喋っても変だし。セリフがないのに画面の口が動いているのも変だから。
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帆船とヨットの違いとは? 堀江謙一『大平洋ひとりぼっち』

帆船とヨットの違いを調査したのですが……これがクジラとイルカぐらいの違いしかありません。大型なのが帆船(クジラ)小型なのがヨット(イルカ)という程度の違いしかないのです。帆船とヨットを区切ってむりやり「世界初」としていますが、帆船とヨットの差はほとんどありません。
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中華ファンタジー『白蛇伝』のあらすじ・書評・魅力・解説・考察

超能力が入り乱れて、最後は神仙と妖魔の大戦争がはじまります。ハルマゲドン(最終戦争)です。エンディングは、白娘はただの人間となって愛する男と結ばれます。ハッピーエンドです。こりゃあ完全に現代にも通用する話しだと思いました。
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『死刑囚最後の日』ヴィクトル・ユーゴー。死にのぞんだ心境を描いた、文豪だからこその作品

死に際しては、いつも同じような問いだけがあるのです……答えはありません! ヴィクトル・ユーゴーでさえ、何ら新しいものを提示することはできませんでした。これ以上、このことについて考えるのは無駄だということです。
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ヒッピー・バイク映画の最高傑作『イージー・ライダー』キャプテンアメリカはなぜ「おれたちは失敗した」と言ったのか?

スクエアとヒッピーの対決というのは、一神教キリスト教と聖霊信仰アニミズムの対決です。資本主義・物質主義と社会主義・ミニマリストの対決です。家父長制・男根主義とフリーセッ●ス・フェミニズムの対決です。体制と自由の対決です。伝統・権威とアナーキズム・ドラッグ&ロックンロールの対決です。民主党と共和党の対決といってもいいかもしれません。
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韓流ドラマはクラスメイトが恋愛におちいる「同級生もの」が多い(交通事故と記憶喪失も多い)

同級生補正というのは、異性を思う気持ちに友だち(チング)を思う心が上乗せされてパワーアップされた状態のことをいいます。この補正にかかった人物は、よっぽどのことがないかぎり、恋の相手は同級生からしか選びません。同級生恋愛、記憶喪失、交通事故、三つ揃ってはじめて韓国ドラマだといえるでしょう。
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文学の頂点。ユダヤ人強制収容所の記録『夜と霧』

生きることがわたしたちに何を期待しているのか、行動によって、適切な態度によって、人により、また瞬間ごとに変化する。生きることとはつねに具体的な何かであって、その具体性が、ひとりひとりにたった一度、他に類を見ない人それぞれの運命をもたらす。全宇宙にたった一度、そしてふたつとないあり方で存在している
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ドストエフスキー『死の家の記録』シベリア獄中記のあらすじと感想

繊細な人間と、鈍感な人間では、おなじ禁錮でも苦しみが違う。「死の家」は「生きている人間の家」でした。死んでいたのは自由でした。文豪が作品に残したことで、彼らは滅び去りはしませんでした。むしろ永遠の命を吹き込まれたといえるかもしれません。
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鴨長明『方丈記』隠者の生活。宮勤めを定年までこなし、退職後に雑記ブログをはじめた人の随筆を読む

なんで隠者文学が歴史に残るかというと、やっぱり現役の仕事がある人はそっちの方が主たる関心になってしまうからでしょう。隠者の考える生き方だけが、普遍性をもつのです。孤独とどう向き合うかを描いているから、コロナ禍の現代の人にも関心を惹起することができます。
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ドストエフスキー『貧しき人びと』どのへんが名作なのか? あらすじと感想

ドストエフスキー『貧しき人びと』ひとことでいえば「好きな男よりも、お金のある男を選ぶ話し」です。お金が二人を別れさせた、とも言えます。逆に言えば貧しさゆえにふたりは寄り添い合っていたともいえるのです。いっそのこと悪女に変貌してくれたほうが物語はおもしろくなったのではないか、と思っています。
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読書家の定義。登場人物の名前の覚え方・テクニック

結局、自分が忘れてしまったシーンは自分にとって大切なシーンではなかったという考え方をしています。自分の感受性にひっかからないところは無視して読み進める、というのもひとつの読み方だと私は思っています。その本が自分にとって大切ならば、二度、三度と読み返すうちに、まるで友達の名前を覚えるように、キャラクターの名前をいつのまにか覚えてしまうことでしょう。
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『ブラック・ジャック創作秘話』手塚治虫・早漏伝説

「先生は忙しい、忙しいと言いながら、よく三人も子どもをつくる時間がありましたね」と誰かに皮肉を言われたところ「きみ、あんなのは5分もあればできるんだよ」と答えたというのを、何かの本で読んだことがあります。いや、そういうのを世間じゃ早漏っていうんですよ。手塚先生!!
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有名作家の絶筆本『転移』中島梓(栗本薫)のガンによる辞世の書・最後の一文字

末期になると、字は乱れ判別不能になり、誤字脱字も増え、判読不能になり……そして「ま」と書いて絶筆。わたしたちの期待通りに死ぬ直前まで書いて死んでくれたのだと思います。『転移』の場合、それで未完ではなく完結だったのではないでしょうか。
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南房総の水滸伝。曲亭馬琴『南総里見八犬伝』

曲亭馬琴『南総里見八犬伝』は、南房総に(里見家の)楽園を築くという話しです。それは南房総に常春の楽園ができればいいのにと願っている私の希望そのものだからです。南房総は山で仕切られた半島の南端。独立王国の様相を呈しています。南房総は常春の楽園です。
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ロビン・フッドとピーター・パンの相似点。ウイリアム・テルとの違い

ロビン・フッドとウイリアム・テル。どちらも自由を求めて悪政・権力と戦った弓の名手ですが、どちらも架空の人物だとされています。イギリス人も、スイス人も、民族を問わず自由を求める英雄を民衆は必要としているということかもしれません。
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ザッヘル(ザッハー)マゾッホ。マゾヒストのマゾヒズム文学と奴隷契約書

マゾッホ文学をマゾヒズム文学として読むと理解できないだろうと思います。脳髄から発した性欲を否定して忘れ去ろうとした宗教と、それを真正面から見つめた文学というのは、やはりどこかで対決する運命なんだろうと思います。
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サマセット・モーム『淵』のあらすじ・書評・魅力・解説・考察

サマセット・モーム『淵』は『エドワード・バーナードの転落』と対をなす作品です。「南洋に同化しきれなかった白人男の悲劇」と「南洋に同化しすぎて白人社会を捨ててしまった白人男の生き様」。「転落しなかったバーナード」と、転落してしまったローソンの差は何でしょうか?
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トロイア戦争その後。オデュッセイアの表ルートと、アエネーイスの裏ルート

物語の元祖、トロイア戦争の「その後」は表ルート(オデュッセイア)も面白いが、裏ルート(アエネーイス)も負けず劣らず面白かったです。すくなくとも苦心惨憺たる航海の末、やっとのことで故郷イタキ島に戻り、愛妻ペーネロペーと夫婦生活を取り戻しただけのオデュッセウスよりも、アイネイアスの方が歴史的には大きな存在だったといえるかもしれません。
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裁判傍聴業とは何だ? オウム真理教「慟哭・林郁夫裁判」

「慟哭の法廷」と呼ばれた林の反省・苦悩する姿が、遺族をして「死刑をのぞまない」と評価されたことで、無期懲役となり死刑求刑をまぬがれました。いちはやくの自供が「自首」と認められ事件の全容解明に多大な貢献をしたことが評価されたからです。