トレイルランの王者スコット・ジュレクの『EAT&RUN』書評

マラソン・ランニング
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名著『BORN TO RUN』のクライマックスシーンは、走る民族の代表アルヌルフォvs近代科学ランニングを知るアメリカ人トレラン王者スコット・ジュレクとの対決でした。

そのスコット・ジュレクの本『EAT&RUN』についてまとめたページです。

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トレイルランニング、ウルトラランニングの世界チャンピオン

著者のスコット・ジュレクはひとことでいえばトレイルランニングの世界的なチャンピオンです。

フルマラソンのベストタイムは2時間38分しかもっていないのですが、100kmや100マイルを走ったら世界で一番速いのです。どうしてフルマラソンではそれほどでもない男が、ウルトラマラソンでは世界一になれたのか、この本にはその秘密が書いてあります。

このブログを読んでもその秘密がわかります。その秘密とは……ふたつあります。

①植物ベースの食事

②いちばん鍛えられる筋肉は脳ミソ

それではスコット・ジュレクの文章を引用しながら解説します。

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植物ベースの食事でランニングが速くなる

食べるものはランニングの燃料であるばかりでなく、人生そのものを形成しているとスコットはいいます。

7年間、植物ベースの食べ物しか取ってこなかった。完全菜食主義者ヴィーガンになって、休息時間が短くて済むようになった。体が軽くなったし、強くなったし、速くなった。」

食べ物とのつながりがどれほど大事か。食について学び、よりよいものを食べて、生活にもっと気を配ろう。食べ物のことや、それが愛情につながっていることを学んで、自分の食べたものと走りを繋げて考えるようになったのだし、食事と人生がつながっていると考えるようになった。」

僕らが何を食べるかは生と死にかかわる問題だ。食べ物こそが自分自身なんだ。肉や砂糖を減らすことが体にいいこともわかってきた。でんぷんと砂糖だらけの加工食品は駄目だ。動物性食品、精製された炭水化物、加工食品など質の悪い食事が糖尿病から腎不全、失明など人を病気にする。」

「ジャンクフードばかり食べていた。彼らはそれ以外の生活を知らないからだ。肉と乳製品、腎臓へのストレス、カルシウムの喪失。癌、脳卒中、心臓病のリスクを考えれば食べるべきじゃない。」

野菜が大嫌いだった。ヒッピーの食べ物だと思っていた。ベジタリアンになる唯一の障害は味の問題だった。チーズやバター、卵なしの食生活は想像もできなかった

「カフェインとタバコと肉を同時にやめると効果があった。」

「質のいい食事で脂肪がいっそう落ちた。人生で一番痩せることができた。毎日、起きるたびにエネルギーがみなぎっていた。良い習慣を繰り返すことの力を信じていた。身体が欲する局面を正確に読んで食べたり飲んだりできるようになった。どこで体を休め、どこで追い込むべきかも見えてきた。」

「体温が四℃以上上昇すると体のシステムが正常に機能しなくなってくる。1時間ごとに1リットルの水と小さじ一杯分の食塩を失う。低ナトリウム血症」

「投資が必要なのは言うまでもなかった。食べ物は節約するべきじゃない。ナッツ、ナッツバター、木の実、アボカド。エナジージェル。電解質のドリンク。クリフバー。バナナ、ポテト、エナジージェル」

「祖先が走ったり食べたりしてきたその同じ方法で走ったり食べたりする人々。食べるものとその影響に関心を払えば、だれでも自然と植物に向かうはずだ。」

「長距離を速く走れるおかげだった。それができるのは毎日の食事のおかげ。中性脂肪は今までで一番低い数値だった。」

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スコット・ジュレクの自伝的要素。父、母

『EAT&RUN』は「食事とランニングの関係について書いた学術書」ではありません。トレイルランニング第一人者の自伝的な要素も含まれています。母は体が動かなくなる病気で、父からは出ていけといわれて、学校の優等生だったのに、家を飛び出します。

「父は配管工と病院の保守管理のふたつの仕事を掛け持ち。母は多発性硬化症だった」

高校は卒業生総代。聖スコラスティカ大学卒業。クロスカントリーの選手だった。

「もう一生歩けない母さん。筋制御機能をほぼ失いながら、死ぬ間際までメンタルの強さを保てるなら、ぼくは母さんのように強くなるためにベストを尽くしたかった。かあさんは人生の大半を歩けずに過ごした。僕は彼女の代わりに走ることにした。基本的なことをする能力を失ってしまったけれど、決して笑うことを止めず、人生のささやかな楽しみを探すことをあきらめなかった。「私は強いのよ」その母がとてもおびえているのがわかった。しっかり自分で最期の時を迎えられる、乗り越えられる、誰もがみな恐れていることをやり遂げられると自分に言い聞かせているようだった。おぼえているよ。母さんの手がどんなに暖かかったか。」

「とにかくやるんだ」父の言葉。

「きっとスキーのキャリアはおしまいだろう。きっと父さんは幸せになれないだろう。きっと母さんの病気は回復しないだろう。」

俺はもうお前の顔を見たくもないと言われた。家を飛び出した。

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親友・走友・ペースメーカー

優等生だったスコットが憧れたのは自分にない自由は生き方、考え方をしている型破りな人間でした。

「人間は自分の楽な範囲からはみ出してはじめて人間として成長できる」型破りな人間に憧れた。

「僕の人生を変えることになる男。ダスティ・オルソン。伝説の不良。不良のプリンス。スコットのことをジャーカー(間抜け)と呼ぶ男。彼は誰もが立ち止まる場所でも先に進めるような何かを持っていた。」

「いったいなんで俺たちにこんなことをやらせるんだ? いつも地区大会以上に進めない。あり余る才能をただ浪費していた。」

重力の家。アルペンスキーのチャンピオンと世界レベルのマウンテンバイクの選手と一緒にマイナス20℃で冬用ダウンの寝袋にくるまって寝ていた。まったくタフなやつだ。」

自然と孤独感を満喫できるシンプルな生活だった。脳が音楽に集中することによって痛みが抑えられるという。

「僕はいつもダスティにイエスと言っていた。ダスティはいつでも女性に人気があった。勝ちたければトレーニングしまくるんだ。ダスティはそのときにやりたい思い立ったことをやった。自身の心と体の限界にぶち当たり、それを新たな限界にまで押し上げてきた。」

「彼にだっていろいろな責任があった。例えば家のローンとか上司とか彼女とか。」

「たくさんのレースでペーサーをしてくれた。隠れベジタリアンだった。ナンパできる女性を探し回った。」

「ペーサーをつけるそもそもの意味は、ランナーの頭を空にすることだ。

そんな親友とも『BORN TO RUN』が世界的にヒットしてスコットが有名になると、亀裂が入ってしまいます。

「山でテントを張ってキャンプをした。数々の成功が、全部僕のものになってしまっていることも言葉にはしなかった。現実から脱出する大切な時間だった。ダスティは大工の真似事をしながらのギリギリの生活や、雪片を追いかけてミネソタ州とコロラド州を放浪する生活から脱出できた。」

「『BORN TO RUN』が出版され、それが大評判になって僕はますます雑誌の記事に乗るようになった。もし彼が僕から遠ざかろうとしているなら、それは僕の名声へのいら立ちからだろうか? 「ダスティはアスリートだったけれど、スポーツで食べていこうとは考えなかった。ダスティは電話をかけてこなくなった。おれはジャーカーのお供でいるのにもううんざりなんだ、といって一緒に行くのを断った。ホンモノのレースを走れよ。オレのマラソンタイムを破って見ろよ。俺の方が100キロでタイムが速いことを忘れるなよ。」

本書『EAT&RUN』にはやたらと親友ダスティが登場します。きっと『BORN TO RUN』でスコットばかりが有名になってしまい嫉妬したダスティのことをスコットは『EAT&RUN』で世間に知らしめようとしたのだと思います。その作戦は成功し、二人の仲はやがて回復されたようです。

すぐにダスティが合流し、一緒に食事をしたり、トレーニングをしたりして、友情を取り戻すことになる。

他にもたくさんのライバル、友だちが本書には登場します。

ヒッピー・ダン。現代のヘンリー・ソロー。小麦若葉のジュース(青汁)、全粒穀物のランナー。クルマや電話を持たず、冷蔵庫も手放してしまった。太陽光エネルギーを利用した電気のない生活」「周囲の環境とつながるように走る。シンプルさ。地面と繋がることで幸せになれるし、自由になれる。おまけに速く走れるようになる」

いちばんのライバルは飛行機の荷物係。

スピリチュアル系長距離ランナー。フリーラヴ、寝食をともにし、バイトをしながら最低限の生活を送っていた。

フリーシンカー自由な考えの持ち主。

アスファルトを敷く仕事をしていた。僕はサンセットランナーだ。

アン・トレイソン。何回も怪我をしてここ数年ウルトラマラソンの大会には出場していない。崖っぷちが待っているとは思わなかった。

24歳になると、彼はそこでやめた。競技として走ることは一切なかった。

ランニングから人とのつながりを得る。ランニングクラブに入る。ランニングは予想以上に人とつながる素晴らしいきっかけを与えてくれる。

もっとも大切にしている友情が、ひとりでだれにも頼らず挑戦する孤独なスポーツから生まれた。

みんな大変な時を経験している。そこでいちばん学ぶんだ。

ダスティと一緒にけもの道を走ったあの頃の自由な感覚を取り戻す計画だった。

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瞑想ランニング。長距離走のジャンキー、幻覚、脳内モルヒネ、流れ者の生活

スコットは「だた勝つために走る人」ではありません。ランニングを通じて人生を深めることを考えているクレバーな人です。ヴィーガンであることも含めて思索的で、その姿はヒッピー、流れ者のキャンパー、修行僧に重なります。脳内モルヒネ、ランナーズハイの魅力についても語っています。

「ランニングは瞑想のようなもの。自分がなくなっていく衝撃。地球と繋がってもはや世俗の関心ごとから遊離したゾーンに入っていく。今この瞬間にいることの感動。自分が夢みてきた約束の地にたどり着くため。それまでの生活が色あせて見えるような鮮やかな世界が目の前に広がり、匂いと味を感じる。」

「無我夢中で世界と向き合いながら一マイル走れば、あとの9999マイルなんてどうでもいい。」

「幻覚を見たり、嘔吐したりしながら、限界だと思ったらもっと走る。元麻薬中毒者の優勝者。向精神薬の中毒から手を引いて。マリファナや摂食障害と闘い、トレイルを走っていないと平穏を手に入れられないと言っている。スコット、ランニングは俺の新しい麻薬だよ。」

「ランナーズハイが起こる原因は脳が大量にエンドルフィンや内因性カンナビノイドをつくりだすからだ。ウルトラランニングをやっている人には元中毒患者があきらかに多いのも、それで説明がつくのかもしれない。」

「一生スコット・ジュレクでいられるわけじゃないんだ。なぜ走るのか。これからも走りつづけたいのか。本能的恐怖を落ち着かせなければならない。自分の不安や無気力は、たんに脳内の化学反応に過ぎないのだろうか。満たされるために本当に大切なのは、われを忘れて没頭する瞬間だ。」

「もっと意識を高め完成された人間になろうと考えた。すべての痛みが重要な訳じゃない。もっと精神世界をひろげたかった。知れば知るほど、必要なものが少なくなる。」

「レース前にキャンプする。シンプルな生活、シンプルな食事。毎年、夏になると車に寝泊まりして、流れ者の生活を楽しんだ。晴れた日を楽しむために外に走りに行く。遠い原始時代の祖先たちのように思いのまま自由に走ったり食べたりした。住んでいる家や財産なんかにはまったく関係なく、生き方から得られる充実感だ。自由奔放に生きたい。キャンプをして、どこにでも好きなところに運転して行きたい。妻のことを考えたくなかった。もう義務は負いたくない。旅行をしたり、走ったり、自転車に乗ったり、パーティーしたりして過ごした。山の近くに住んでいた。ハイキングに行ったり、クライミングをしたり、シンプルで心地よい生活だった。見上げる星座は僕のことを気にもとめていなかった。確かな道は自分が来た道だけだ。」

「ゴールまであとどれくらい、というネガティブな考えに耳を傾けるのはやめるようにする。考えるのは危険だ。自分が今どこにいて、あとレースはどれくらい続くのかといった冷静で合理的な判断は、合理的な降伏につながってしまいがちだ。僕は思考を超越した領域に向かおうとした。現実の助けにならないことならくよくよと考えない。前に進むことこそ、世の中でもっとも意味があることなんだと思い込んだ。そのために、レースを細切れの消化しやすいパーツに分けて考えることにした。耐えられないほど痛いと思っていても、そのまま続けるといずれ痛みはどうってことなくなる。もう続けられないと思った時にどうやって続けたのかを考えた。限界を超えずして、その限界を発見することなんてできるだろうか?」

「彼の記録は精神からあふれ出るエネルギーに根差したものだろう。ウルトラマラソンの痛みに耐えられる人には至福が待っている。怪我は最高の先生なのだ。」

「自分が追いかけているのは精神的な状態——心配事が消え、時を超越した美しい宇宙と今という瞬間が鮮明に見えてくる状態。ランニングの見返りは、いやあらゆることの見返りは、自分の中に存在するものだ。自分に喜びや平穏を与えてくれるのは、優勝そのものじゃなくて、それを達成するためのプロセスだ。人生は旅であって目的地じゃない。」

燃え尽きること——真剣にトレーニングしている選手には避けて通れない道なのだろうか? 僕らは楽しいから走っているんだ。

何だよ、ただ山に行って必死に走ればそれで終わりじゃないか。とっととケリをつけろよ。

胃腸を壊すし、嘔吐は珍しくもなく、幻覚はあたりまえだった。タフだろう? とにかくやるんだ!

立ち上がるんだ、動けと言われて、そのたびにそれが正しかったじゃないか。

未来について考えるのは、朝露が消えていくことに意味を探すのと同じぐらい無意味だった

誰だって負けることがある。負けることが生き方を決めるんじゃない。負けた後に何をするか。つまり負け方が大切だ。

こんなの死ぬほどのことじゃないんだから、そんな顔するな。痛みよりももっと大きなものが自分の中に見つかる。悟りは抱き続けることはできない。数歩後には痛みや尿意やライバルの動向を気にし始めてしまう。

一歩づつだ。今という時に留まれ。「これを探しに来たんだろう」マントラのように繰り返した。

わたしが本書を読んでもっとも興味をそそられたのは「このタイプ系の文章」でした。車中泊やテントで山に行って走って食べて自由に過ごすヒッピーのようなライフスタイルに読書しながら憧れを覚えずにはいられませんでした。アメリカ人ってこういうところがすごいんだよね。

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『BORN TO RUN』の裏主人公。タラウマラ族・ララムリとの決戦

文筆の賢人クリストファー・マクドゥーガル。本を書くのはまるでウルトラマラソンのようだ。

ワラーチと呼ばれるサンダル姿のララムリ。

カバーヨ・ブランコ。家具運搬の移動労働者。民族衣装のトーガをはおったララムリ。

ベアフット・テッド。ベアフットランニング。ワラーチサンダル。

「週に50時間以上も働いていた。それでもぎりぎりの生活だった。この旅を学習のための休暇だと考えていた。しかし僕は全力を出し切ることにした。そうでなければ失礼にあたるからだ。」

僕は心配していなかった。距離が長くなれば人間の体に何が起こるかわかっていた。

アルヌルフォ。ピノーレ。トウモロコシでできたゲーターレード。マメ入りのトルティーヤ。

食べることも、走ることも、それは生き伸びるためだ。シンプルな生き方を通して安らぎと平穏を体現している。

どうして僕らがみんな走るのか思い出させてくれる。

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ウルトラマンの第一人者としてのランニングテクニック

ウルトラマラソン、トレイルランニングの第一人者として、ランニング技術を解説してくれている点も見逃せません。

「180bpmのピッチがベストだ。上りのコツは力まかせに無理やり上るのではなく、ターンオーバー。つまり回転数。サイクリストの言うグラニーギア。上りでも下りでも180BPMを維持した。」

「大切なのは脚のどの部分で着地するかではなく、どこに着地するかだ。」

「頭からつま先まで棒が通っていると想像しよう。そのまま前傾する。すると重力を利用した走りができる。ランニングがコントロールの効いた落下だということを忘れてはいけない。」

足底筋膜炎。膝蓋大腿関節炎・ランナー膝など故障を経験。ストレッチは必要。

筋トレ。プランク。頭からつま先までまっすぐに伸ばす。ブリッジのような後ろに反り返る運動をするといい。

「自分を解き放つツールとして痛みを利用した。怒りを無の境地にしようとせずむしろそれを利用した。僕は勝つことばかり考えていた」

「口からではなく鼻から呼吸した方が、心拍数を下げ脳が活発になると知った。ただ鼻から呼吸することにひたすら集中した。」

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いちばん鍛えられる筋肉は脳(ウルトラは精神で走る)

マラソン2時間38分のスコットを世界一のトレイルランナーにしたのは「自己管理」「考え方」「心構え」「集中力」「精神」ではないかと本書を読んでわたしは思いました。

平地野郎め。フラットランダー。フルマラソン2時間38分ってことはたいしたことないよ。脊柱側弯症。高血圧。フルマラソンのタイムは2時間38分と特別に速いわけでもない。そのグラウンドの中では脚が遅い方だった。身体面で勝てないとすればどうすればいい? 僕は自分の精神を使うことにしていた。

足元から湧き上がってくる野蛮人のような雄叫びを喉から絞り出した。ああ。走るのが好きだからね。体を動かす喜びを忘れている。自分の人生には満足していなかった

ウルトラを完走するにはひとつひとつクリアすることだ。僕は本を読むことでスキーが上達した。それぞれの本の著者は、勝利や持久力や速さなんかを超越した喜びについて語っていた。

距離をこなせば、たいてい結果はついてくる。上達の一番簡単な方法は、速く走ることだ。

これまでどんなにハードなトレーニングを積んできたか。その苦労や痛みを考えた。そうした努力がレースで一番つらいときに必ず何とかしてくれると思った。思いつく限りのハードなトレーニングを積んできた。

極度の疲労と破壊の間に横たわる空間をもっと極めたかった。自分の身体と意志をもっと知りたかった。もし崖っぷちを歩いてないなら、余裕を持ちすぎている。いかに己を知り、冷静にコントロールできるかで勝敗が決まるのだ。

寝たくても具合が悪くてもトレーニングをして、何度も引っ越しをしては借金をつくってきた。他のランナーたちも様々なことを耐えてきたに違いない。多くの人たちは、人生の中で偉大な何かを成し遂げたことはない。挑戦したことさえない。

意思の持つ不思議な力を測定することはできない。無理をすると脳は疲労や苦痛の感覚を上げてペースを落とすように体に威しをかける。

意思というのは単に強さの問題ではなく集中の問題なのだ。精神状態こそが大事。

焦りや苦しいという感情を頭の中から取り除くこと。届かないところに閉じ込めてしまう。今やらなければならないことに集中して、この状況の利点について考えることだ。

誰もが自分のベストパフォーマンスを発揮できるゾーンを目標にしている。

呼吸こそが最も大切だ。腹式呼吸を覚えるにはまずは鼻から呼吸することを練習するといい。鼻から吸って口から吐く、ヨガでいう火の呼吸。

勝ち負けより大事なのは、そのために何をどうしたかだ。何かの目標に向かっていく人にとっても——つまり誰にとっても——指標となるはずだ。

自分の望んだものが得られたかどうかであなたの価値が決まるわけじゃない。自分の目標にどう向かっていったかで決まる。

人生はレースじゃない。そう見えるかもしれないけれど、そうじゃない。大事なのは、どうやってそのゴールに向かうかだ。決定的に重要なのは今の一歩、今あなたが踏み出した一歩だ。

何をしようと自分を嫌うものがいる。他人が自分をどのように見ていようが関係ない。自分自身に正直であることが大切だ。

ゴールにいることで、いろいろな苦労を思い出し、何度も何度も喜びを味わっていた。

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【この記事を書いている人】

瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

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