トレイルランの王者スコット・ジュレクの『EAT & RUN』走ることと、食べること

マラソン・ランニング
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『ドラクエ的な人生』とは?

心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。小説『ツバサ』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』。Amazonキンドル書籍にて発売中。

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何?
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。

Bitly

星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

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名著『BORN TO RUN』のクライマックスシーンは、走る民族の代表アルヌルフォvs近代科学ランニングを知るアメリカ人トレラン王者スコット・ジュレクとの対決でした。

そのスコット・ジュレクの本『EAT&RUN』についてまとめたページです。

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トレイルランニング、ウルトラランニングの世界チャンピオン

著者のスコット・ジュレクはひとことでいえばトレイルランニングの世界的なチャンピオンです。

フルマラソンのベストタイムは2時間38分しかもっていないのですが、100kmや100マイルを走ったら世界で一番速いのです。どうしてフルマラソンではそれほどでもない男が、ウルトラマラソンでは世界一になれたのか、この本にはその秘密が書いてあります。

このブログを読んでもその秘密がわかります。その秘密とは……ふたつあります。

①植物ベースの食事

②いちばん鍛えられる筋肉は脳ミソ

それではスコット・ジュレクの文章を引用しながら解説します。

※※※YouTube動画はじめました※※※

書籍『市民ランナーという走り方(マラソンサブスリー・グランドスラム養成講座)』の内容をYouTubeにて公開しています。言葉のイメージ喚起力でランニングフォームを最適化して、同じ練習量でも速く走れるようになるランニング新メソッドについて解説しています。気に入っていただけましたら、チャンネル登録をお願いします。

世界名作文学紹介チャンネル
読書系ブログ『ドラクエ的な人生』のYouTube出張局です。 アリクラハルトの出版書籍 ※当チャンネルは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者...

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

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いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
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本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。

Bitly

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植物ベースの食事でランニングが速くなる

食べるものはランニングの燃料であるばかりでなく、人生そのものを形成しているとスコットはいいます。

7年間、植物ベースの食べ物しか取ってこなかった。完全菜食主義者ヴィーガンになって、休息時間が短くて済むようになった。体が軽くなったし、強くなったし、速くなった。」

食べ物とのつながりがどれほど大事か。食について学び、よりよいものを食べて、生活にもっと気を配ろう。食べ物のことや、それが愛情につながっていることを学んで、自分の食べたものと走りを繋げて考えるようになったのだし、食事と人生がつながっていると考えるようになった。」

僕らが何を食べるかは生と死にかかわる問題だ。食べ物こそが自分自身なんだ。肉や砂糖を減らすことが体にいいこともわかってきた。でんぷんと砂糖だらけの加工食品は駄目だ。動物性食品、精製された炭水化物、加工食品など質の悪い食事が糖尿病から腎不全、失明など人を病気にする。」

「ジャンクフードばかり食べていた。彼らはそれ以外の生活を知らないからだ。肉と乳製品、腎臓へのストレス、カルシウムの喪失。癌、脳卒中、心臓病のリスクを考えれば食べるべきじゃない。」

野菜が大嫌いだった。ヒッピーの食べ物だと思っていた。ベジタリアンになる唯一の障害は味の問題だった。チーズやバター、卵なしの食生活は想像もできなかった

「カフェインとタバコと肉を同時にやめると効果があった。」

「質のいい食事で脂肪がいっそう落ちた。人生で一番痩せることができた。毎日、起きるたびにエネルギーがみなぎっていた。良い習慣を繰り返すことの力を信じていた。身体が欲する局面を正確に読んで食べたり飲んだりできるようになった。どこで体を休め、どこで追い込むべきかも見えてきた。」

「体温が四℃以上上昇すると体のシステムが正常に機能しなくなってくる。1時間ごとに1リットルの水と小さじ一杯分の食塩を失う。低ナトリウム血症」

「投資が必要なのは言うまでもなかった。食べ物は節約するべきじゃない。ナッツ、ナッツバター、木の実、アボカド。エナジージェル。電解質のドリンク。クリフバー。バナナ、ポテト、エナジージェル」

「祖先が走ったり食べたりしてきたその同じ方法で走ったり食べたりする人々。食べるものとその影響に関心を払えば、だれでも自然と植物に向かうはずだ。」

「長距離を速く走れるおかげだった。それができるのは毎日の食事のおかげ。中性脂肪は今までで一番低い数値だった。」

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スコット・ジュレクの自伝的要素。父、母

『EAT&RUN』は「食事とランニングの関係について書いた学術書」ではありません。トレイルランニング第一人者の自伝的な要素も含まれています。母は体が動かなくなる病気で、父からは出ていけといわれて、学校の優等生だったのに、家を飛び出します。

「父は配管工と病院の保守管理のふたつの仕事を掛け持ち。母は多発性硬化症だった」

高校は卒業生総代。聖スコラスティカ大学卒業。クロスカントリーの選手だった。

「もう一生歩けない母さん。筋制御機能をほぼ失いながら、死ぬ間際までメンタルの強さを保てるなら、ぼくは母さんのように強くなるためにベストを尽くしたかった。かあさんは人生の大半を歩けずに過ごした。僕は彼女の代わりに走ることにした。基本的なことをする能力を失ってしまったけれど、決して笑うことを止めず、人生のささやかな楽しみを探すことをあきらめなかった。「私は強いのよ」その母がとてもおびえているのがわかった。しっかり自分で最期の時を迎えられる、乗り越えられる、誰もがみな恐れていることをやり遂げられると自分に言い聞かせているようだった。おぼえているよ。母さんの手がどんなに暖かかったか。」

「とにかくやるんだ」父の言葉。

「きっとスキーのキャリアはおしまいだろう。きっと父さんは幸せになれないだろう。きっと母さんの病気は回復しないだろう。」

俺はもうお前の顔を見たくもないと言われた。家を飛び出した。

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親友・走友・ペースメーカー

優等生だったスコットが憧れたのは自分にない自由は生き方、考え方をしている型破りな人間でした。

「人間は自分の楽な範囲からはみ出してはじめて人間として成長できる」型破りな人間に憧れた。

「僕の人生を変えることになる男。ダスティ・オルソン。伝説の不良。不良のプリンス。スコットのことをジャーカー(間抜け)と呼ぶ男。彼は誰もが立ち止まる場所でも先に進めるような何かを持っていた。」

「いったいなんで俺たちにこんなことをやらせるんだ? いつも地区大会以上に進めない。あり余る才能をただ浪費していた。」

重力の家。アルペンスキーのチャンピオンと世界レベルのマウンテンバイクの選手と一緒にマイナス20℃で冬用ダウンの寝袋にくるまって寝ていた。まったくタフなやつだ。」

自然と孤独感を満喫できるシンプルな生活だった。脳が音楽に集中することによって痛みが抑えられるという。

「僕はいつもダスティにイエスと言っていた。ダスティはいつでも女性に人気があった。勝ちたければトレーニングしまくるんだ。ダスティはそのときにやりたい思い立ったことをやった。自身の心と体の限界にぶち当たり、それを新たな限界にまで押し上げてきた。」

「彼にだっていろいろな責任があった。例えば家のローンとか上司とか彼女とか。」

「たくさんのレースでペーサーをしてくれた。隠れベジタリアンだった。ナンパできる女性を探し回った。」

「ペーサーをつけるそもそもの意味は、ランナーの頭を空にすることだ。

そんな親友とも『BORN TO RUN』が世界的にヒットしてスコットが有名になると、亀裂が入ってしまいます。

「山でテントを張ってキャンプをした。数々の成功が、全部僕のものになってしまっていることも言葉にはしなかった。現実から脱出する大切な時間だった。ダスティは大工の真似事をしながらのギリギリの生活や、雪片を追いかけてミネソタ州とコロラド州を放浪する生活から脱出できた。」

「『BORN TO RUN』が出版され、それが大評判になって僕はますます雑誌の記事に乗るようになった。もし彼が僕から遠ざかろうとしているなら、それは僕の名声へのいら立ちからだろうか? 「ダスティはアスリートだったけれど、スポーツで食べていこうとは考えなかった。ダスティは電話をかけてこなくなった。おれはジャーカーのお供でいるのにもううんざりなんだ、といって一緒に行くのを断った。ホンモノのレースを走れよ。オレのマラソンタイムを破って見ろよ。俺の方が100キロでタイムが速いことを忘れるなよ。」

本書『EAT&RUN』にはやたらと親友ダスティが登場します。きっと『BORN TO RUN』でスコットばかりが有名になってしまい嫉妬したダスティのことをスコットは『EAT&RUN』で世間に知らしめようとしたのだと思います。その作戦は成功し、二人の仲はやがて回復されたようです。

すぐにダスティが合流し、一緒に食事をしたり、トレーニングをしたりして、友情を取り戻すことになる。

他にもたくさんのライバル、友だちが本書には登場します。

ヒッピー・ダン。現代のヘンリー・ソロー。小麦若葉のジュース(青汁)、全粒穀物のランナー。クルマや電話を持たず、冷蔵庫も手放してしまった。太陽光エネルギーを利用した電気のない生活」「周囲の環境とつながるように走る。シンプルさ。地面と繋がることで幸せになれるし、自由になれる。おまけに速く走れるようになる」

いちばんのライバルは飛行機の荷物係。

スピリチュアル系長距離ランナー。フリーラヴ、寝食をともにし、バイトをしながら最低限の生活を送っていた。

フリーシンカー自由な考えの持ち主。

アスファルトを敷く仕事をしていた。僕はサンセットランナーだ。

アン・トレイソン。何回も怪我をしてここ数年ウルトラマラソンの大会には出場していない。崖っぷちが待っているとは思わなかった。

24歳になると、彼はそこでやめた。競技として走ることは一切なかった。

ランニングから人とのつながりを得る。ランニングクラブに入る。ランニングは予想以上に人とつながる素晴らしいきっかけを与えてくれる。

もっとも大切にしている友情が、ひとりでだれにも頼らず挑戦する孤独なスポーツから生まれた。

みんな大変な時を経験している。そこでいちばん学ぶんだ。

ダスティと一緒にけもの道を走ったあの頃の自由な感覚を取り戻す計画だった。

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瞑想ランニング。長距離走のジャンキー、幻覚、脳内モルヒネ、流れ者の生活

スコットは「だた勝つために走る人」ではありません。ランニングを通じて人生を深めることを考えているクレバーな人です。ヴィーガンであることも含めて思索的で、その姿はヒッピー、流れ者のキャンパー、修行僧に重なります。脳内モルヒネ、ランナーズハイの魅力についても語っています。

「ランニングは瞑想のようなもの。自分がなくなっていく衝撃。地球と繋がってもはや世俗の関心ごとから遊離したゾーンに入っていく。今この瞬間にいることの感動。自分が夢みてきた約束の地にたどり着くため。それまでの生活が色あせて見えるような鮮やかな世界が目の前に広がり、匂いと味を感じる。」

「無我夢中で世界と向き合いながら一マイル走れば、あとの9999マイルなんてどうでもいい。」

「幻覚を見たり、嘔吐したりしながら、限界だと思ったらもっと走る。元麻薬中毒者の優勝者。向精神薬の中毒から手を引いて。マリファナや摂食障害と闘い、トレイルを走っていないと平穏を手に入れられないと言っている。スコット、ランニングは俺の新しい麻薬だよ。」

「ランナーズハイが起こる原因は脳が大量にエンドルフィンや内因性カンナビノイドをつくりだすからだ。ウルトラランニングをやっている人には元中毒患者があきらかに多いのも、それで説明がつくのかもしれない。」

「一生スコット・ジュレクでいられるわけじゃないんだ。なぜ走るのか。これからも走りつづけたいのか。本能的恐怖を落ち着かせなければならない。自分の不安や無気力は、たんに脳内の化学反応に過ぎないのだろうか。満たされるために本当に大切なのは、われを忘れて没頭する瞬間だ。」

「もっと意識を高め完成された人間になろうと考えた。すべての痛みが重要な訳じゃない。もっと精神世界をひろげたかった。知れば知るほど、必要なものが少なくなる。」

「レース前にキャンプする。シンプルな生活、シンプルな食事。毎年、夏になると車に寝泊まりして、流れ者の生活を楽しんだ。晴れた日を楽しむために外に走りに行く。遠い原始時代の祖先たちのように思いのまま自由に走ったり食べたりした。住んでいる家や財産なんかにはまったく関係なく、生き方から得られる充実感だ。自由奔放に生きたい。キャンプをして、どこにでも好きなところに運転して行きたい。妻のことを考えたくなかった。もう義務は負いたくない。旅行をしたり、走ったり、自転車に乗ったり、パーティーしたりして過ごした。山の近くに住んでいた。ハイキングに行ったり、クライミングをしたり、シンプルで心地よい生活だった。見上げる星座は僕のことを気にもとめていなかった。確かな道は自分が来た道だけだ。」

「ゴールまであとどれくらい、というネガティブな考えに耳を傾けるのはやめるようにする。考えるのは危険だ。自分が今どこにいて、あとレースはどれくらい続くのかといった冷静で合理的な判断は、合理的な降伏につながってしまいがちだ。僕は思考を超越した領域に向かおうとした。現実の助けにならないことならくよくよと考えない。前に進むことこそ、世の中でもっとも意味があることなんだと思い込んだ。そのために、レースを細切れの消化しやすいパーツに分けて考えることにした。耐えられないほど痛いと思っていても、そのまま続けるといずれ痛みはどうってことなくなる。もう続けられないと思った時にどうやって続けたのかを考えた。限界を超えずして、その限界を発見することなんてできるだろうか?」

「彼の記録は精神からあふれ出るエネルギーに根差したものだろう。ウルトラマラソンの痛みに耐えられる人には至福が待っている。怪我は最高の先生なのだ。」

「自分が追いかけているのは精神的な状態——心配事が消え、時を超越した美しい宇宙と今という瞬間が鮮明に見えてくる状態。ランニングの見返りは、いやあらゆることの見返りは、自分の中に存在するものだ。自分に喜びや平穏を与えてくれるのは、優勝そのものじゃなくて、それを達成するためのプロセスだ。人生は旅であって目的地じゃない。」

燃え尽きること——真剣にトレーニングしている選手には避けて通れない道なのだろうか? 僕らは楽しいから走っているんだ。

何だよ、ただ山に行って必死に走ればそれで終わりじゃないか。とっととケリをつけろよ。

胃腸を壊すし、嘔吐は珍しくもなく、幻覚はあたりまえだった。タフだろう? とにかくやるんだ!

立ち上がるんだ、動けと言われて、そのたびにそれが正しかったじゃないか。

未来について考えるのは、朝露が消えていくことに意味を探すのと同じぐらい無意味だった

誰だって負けることがある。負けることが生き方を決めるんじゃない。負けた後に何をするか。つまり負け方が大切だ。

こんなの死ぬほどのことじゃないんだから、そんな顔するな。痛みよりももっと大きなものが自分の中に見つかる。悟りは抱き続けることはできない。数歩後には痛みや尿意やライバルの動向を気にし始めてしまう。

一歩づつだ。今という時に留まれ。「これを探しに来たんだろう」マントラのように繰り返した。

わたしが本書を読んでもっとも興味をそそられたのは「このタイプ系の文章」でした。車中泊やテントで山に行って走って食べて自由に過ごすヒッピーのようなライフスタイルに読書しながら憧れを覚えずにはいられませんでした。アメリカ人ってこういうところがすごいんだよね。

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『BORN TO RUN』の裏主人公。タラウマラ族・ララムリとの決戦

文筆の賢人クリストファー・マクドゥーガル。本を書くのはまるでウルトラマラソンのようだ。

ワラーチと呼ばれるサンダル姿のララムリ。

カバーヨ・ブランコ。家具運搬の移動労働者。民族衣装のトーガをはおったララムリ。

ベアフット・テッド。ベアフットランニング。ワラーチサンダル。

「週に50時間以上も働いていた。それでもぎりぎりの生活だった。この旅を学習のための休暇だと考えていた。しかし僕は全力を出し切ることにした。そうでなければ失礼にあたるからだ。」

僕は心配していなかった。距離が長くなれば人間の体に何が起こるかわかっていた。

アルヌルフォ。ピノーレ。トウモロコシでできたゲーターレード。マメ入りのトルティーヤ。

食べることも、走ることも、それは生き伸びるためだ。シンプルな生き方を通して安らぎと平穏を体現している。

どうして僕らがみんな走るのか思い出させてくれる。

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ウルトラマンの第一人者としてのランニングテクニック

ウルトラマラソン、トレイルランニングの第一人者として、ランニング技術を解説してくれている点も見逃せません。

「180bpmのピッチがベストだ。上りのコツは力まかせに無理やり上るのではなく、ターンオーバー。つまり回転数。サイクリストの言うグラニーギア。上りでも下りでも180BPMを維持した。」

「大切なのは脚のどの部分で着地するかではなく、どこに着地するかだ。」

「頭からつま先まで棒が通っていると想像しよう。そのまま前傾する。すると重力を利用した走りができる。ランニングがコントロールの効いた落下だということを忘れてはいけない。」

足底筋膜炎。膝蓋大腿関節炎・ランナー膝など故障を経験。ストレッチは必要。

筋トレ。プランク。頭からつま先までまっすぐに伸ばす。ブリッジのような後ろに反り返る運動をするといい。

「自分を解き放つツールとして痛みを利用した。怒りを無の境地にしようとせずむしろそれを利用した。僕は勝つことばかり考えていた」

「口からではなく鼻から呼吸した方が、心拍数を下げ脳が活発になると知った。ただ鼻から呼吸することにひたすら集中した。」

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いちばん鍛えられる筋肉は脳(ウルトラは精神で走る)

マラソン2時間38分のスコットを世界一のトレイルランナーにしたのは「自己管理」「考え方」「心構え」「集中力」「精神」ではないかと本書を読んでわたしは思いました。

平地野郎め。フラットランダー。フルマラソン2時間38分ってことはたいしたことないよ。脊柱側弯症。高血圧。フルマラソンのタイムは2時間38分と特別に速いわけでもない。そのグラウンドの中では脚が遅い方だった。身体面で勝てないとすればどうすればいい? 僕は自分の精神を使うことにしていた。

足元から湧き上がってくる野蛮人のような雄叫びを喉から絞り出した。ああ。走るのが好きだからね。体を動かす喜びを忘れている。自分の人生には満足していなかった

ウルトラを完走するにはひとつひとつクリアすることだ。僕は本を読むことでスキーが上達した。それぞれの本の著者は、勝利や持久力や速さなんかを超越した喜びについて語っていた。

距離をこなせば、たいてい結果はついてくる。上達の一番簡単な方法は、速く走ることだ。

これまでどんなにハードなトレーニングを積んできたか。その苦労や痛みを考えた。そうした努力がレースで一番つらいときに必ず何とかしてくれると思った。思いつく限りのハードなトレーニングを積んできた。

極度の疲労と破壊の間に横たわる空間をもっと極めたかった。自分の身体と意志をもっと知りたかった。もし崖っぷちを歩いてないなら、余裕を持ちすぎている。いかに己を知り、冷静にコントロールできるかで勝敗が決まるのだ。

寝たくても具合が悪くてもトレーニングをして、何度も引っ越しをしては借金をつくってきた。他のランナーたちも様々なことを耐えてきたに違いない。多くの人たちは、人生の中で偉大な何かを成し遂げたことはない。挑戦したことさえない。

意思の持つ不思議な力を測定することはできない。無理をすると脳は疲労や苦痛の感覚を上げてペースを落とすように体に威しをかける。

意思というのは単に強さの問題ではなく集中の問題なのだ。精神状態こそが大事。

焦りや苦しいという感情を頭の中から取り除くこと。届かないところに閉じ込めてしまう。今やらなければならないことに集中して、この状況の利点について考えることだ。

誰もが自分のベストパフォーマンスを発揮できるゾーンを目標にしている。

呼吸こそが最も大切だ。腹式呼吸を覚えるにはまずは鼻から呼吸することを練習するといい。鼻から吸って口から吐く、ヨガでいう火の呼吸。

勝ち負けより大事なのは、そのために何をどうしたかだ。何かの目標に向かっていく人にとっても——つまり誰にとっても——指標となるはずだ。

自分の望んだものが得られたかどうかであなたの価値が決まるわけじゃない。自分の目標にどう向かっていったかで決まる。

人生はレースじゃない。そう見えるかもしれないけれど、そうじゃない。大事なのは、どうやってそのゴールに向かうかだ。決定的に重要なのは今の一歩、今あなたが踏み出した一歩だ。

何をしようと自分を嫌うものがいる。他人が自分をどのように見ていようが関係ない。自分自身に正直であることが大切だ。

ゴールにいることで、いろいろな苦労を思い出し、何度も何度も喜びを味わっていた。

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。
●◎このブログの著者の書籍『市民ランナーという走り方』◎●
書籍『市民ランナーという走り方』Amazonにて発売中
雑誌『ランナーズ』のライターだった筆者が贈る『市民ランナーという走り方』。 「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか? いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状打破、自己ベストの更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。 ●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何? ●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム? ●ピッチ走法とストライド走法、どちらで走るべきなのか? ●ストライドを伸ばすための「ハサミは両方に開かれる走法」って何? ●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは? ●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」の本当の意味は? 本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。 ※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。 あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
Bitly
書籍『市民ランナーという走り方』Amazonにて発売中
雑誌『ランナーズ』のライターだった筆者が贈る『市民ランナーという走り方』 「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか? いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状打破、自己ベストの更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。 ●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何? ●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム? ●ピッチ走法とストライド走法、どちらで走るべきなのか? ●ストライドを伸ばすための「ハサミは両方に開かれる走法」って何? ●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは? ●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」の本当の意味は? 本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。 ※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。 あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
Bitly
●◎このブログ著者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』◎●
書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
https://amzn.to/3OBWtUR
書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
https://amzn.to/3OBWtUR
●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
https://amzn.to/46Gqxca
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
Bitly
×   ×   ×   ×   ×   × 
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
Bitly
×   ×   ×   ×   ×   × 
◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly
●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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マラソン・ランニング
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