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マラソンは何歳から始めても10年間はその人なりにタイムが縮むという説があります。
わたしは走歴も長く、たくさんの走友がいるのですが、みんなこの話しをすると「その通りだね」と驚いてくれます。自分や身の回りのランナーを眺めて、確かだなあと実感して共感してくれるのでしょう。
「マラソンは何歳から始めても10年はタイムが縮む」膝の寿命、心理的な興味の持続時間など、諸要素が絡み合いますが、おおむね真実ではないでしょうか。
しかしこれを誰がはじめに言い出したのかわからないのです。
みんな同様のことを口にするのに、文章になっているのを見たことがありません。
最初に言ったのは誰なのでしょうか。すくなくともわたしではありません。わたしも走友の誰かから聞いたのです。その人も走友の誰かから聞いたのだそうです。
いつの間にか耳に入ってきて、頭の中に居座った観念のようですね。でも市民ランナーを勇気づけてくれる言葉です。大切に後輩たちに伝えていきたいですね。
【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
ランニング雑誌『ランナーズ』の元執筆者。初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した頭脳派のランナー。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。江戸川左岸の撃墜王(自称)。スピードが目的、スピードがすべてのスピード狂。ロードバイクって凄いぜ!!
山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。ソウル日本人学校出身の元帰国子女。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。
千葉県在住。夢の移住先はもう決まっています!!
韓国人ランナーは知らない? 日本人ランナーの常識
先日、水戸黄門漫遊マラソンでスタート待ちをしていたら、初老の韓国人男性ランナーから話しかけられました。もちろん日本語です。とても人懐こい方でした。
どうして韓国人だとわかったかというと、発音が「韓国人の日本語」だったからです。
テレビの韓流芸能人もみんな同じ発音しますね。「カンコクデハー」「アリガトゴジェマス」っていうあの発音です(笑)。決してバカにしているわけではありません。我々「日本人が喋る英語」もおそらく「韓国人の日本語」のように英語圏の人には日本語なまりで聞こえているんだろうな、と思います。
だから英語はバカにしてんのかぐらい誇張したモノマネ発音がちょうどいいのです。
韓国人かな? と思っていたら、自分から韓国人だと名乗ってくれました。韓国にいた時からランニングはしていたそうです。もちろんゼッケンの名前も韓国名でした。どっちかというと「話しかけにくい」タイプのわたしにじゃんじゃん話しかけてきます。一切遠慮ありません。
こっちの必殺「レースに集中したいから話しかけてくんなオーラ」も全然通用しません。
とうとう諦めて、わたしは会話に応じることにしました。
何歳から走り始めても10年はタイムが良くなる説
わたしの方が年下ですが、走歴も長いし、ベストタイムも上です。わたしがサブスリーランナーであると知ると「月にどれくらい走ってますか」とか「どうすれば速く走れますか」とかジャンジャン韓国人ランナーは聞いてきました。
雑誌にランニングの記事を書いていたこともあるし、マラソンの本も書いているぐらいです。
本書の『走る技術』に書いてあることをガンガン話してやりました。
韓国おじさんは聞き上手で、なかなか会話が終わりません……。(+_+)
「へええ。そうなんですか。いいことを聞きました」
たくさん話したのですが、その中でも韓国おじさんがしきりと感心していたのは、
「何歳から走り始めても10年はタイムが伸びるっていいますからね」
というわたしの言葉でした。
「はじめて聞きましたよ。でも当たっていますね」
韓国おじさんの反応に、あれ? と思いました。この説、韓国人ランナーは知らないのか?
みんなが知ってるものと思い込んでいたのです。
すくなくともわたしの身の回りでは普通に「マラソンは何歳から始めても10年はタイムが縮む」と言われています。どんなレベルからはじめても10年はその人なりにタイムが縮むと言われているのです。
たとえ40歳からはじめても50歳までは、50歳からはじめても60歳まではタイムは伸びると言われているのです。
この説、聞いたことありますよね?
わたし自身や走友会のメンバーなどを見回しても当たっていると思っています。
文章になっているのを見たことがない口伝の概念
42.195kmもの距離を走るマラソンは、練習量がものをいう世界です。走ることへの慣れや、工夫次第でタイムを縮めることができるので、はじめてすぐはタイムがどんどん縮んでいくのです。
そもそも初マラソンから凄いタイムで走れる人は陸上経験者だけです。たいていの人は完走できないところからはじまって、どうにか完走できたところにたどり着いてから、自己ベストをすこしづつ更新していくのです。
肉体が若返るということではありません。やればやるほど走るという世界に慣れて、どんどんタイムが縮むのがマラソンの世界です。
誰でもサブスリーで走れると言っているのではありません。その人なりにタイムが縮むという意味です。客観的には遅いかもしれませんが、その人なりの記録は確実に縮むという意味です。
それは何歳から始めても。15歳から走り始めても、40歳から走り始めても。10年はマラソンのタイムを縮めることができる。これは本当です。
未熟な初心者だった60歳の自分よりも、走り慣れた70歳の自分の方がしっかりとゴールまで走り切ることができるのです。
習うより慣れろ、ということかもしれません。ランニングの世界だって同じなのです。
走り慣れて、走るための筋肉がつく。心肺機能が改善される。着地の衝撃に脳が耐えられるようになる。
こうしてやればやるほどタイムが伸びていくマラソンですが、もちろん限界があります。
ランナー人生には賞味期限がある
「マラソンは何歳から始めても10年はタイムが縮む」ということは、逆にいえば10年でタイムは伸びなくなるということです。
膝には寿命があります。膝は消耗品です。タイムが伸びたといっても、しょせんは長時間走るということに慣れただけです。長距離走の特別な才能があったわけではありません。青天井でタイムが伸びるわけがありません。
「潜在的に出しうるタイムを出した」ところで頭打ちです。そのランナー人生の賞味期限が10年だと言われているのです。
「マラソンは何歳から始めても10年はタイムが縮む」というのは、有名な説なのだと思っていました。しかしもしかしたら私の身の回りだけで、知らない人も多いのかもしれません。
走友会などに所属していないと、活字化されていないこの口伝の概念のことは、知らないまま来てしまっている恐れがあります。
先に登場した韓国人ランナーは「そんな説、聞いたことありません」といっていました。
あら? これって業界では誰でも知ってる有名な説じゃなかったのか。
そう思ったのでこれを書き残しておくことにしました。
韓国人は誰も知らない、日本の市民ランナー業界にだけ伝わる伝説のワード。
誰もが口にするが、どこにも書いてあるのを見たことがないランナー口伝の伝説。
だったらわたしがここに書き残しておこうと思います。
この身で証明しよう。10年は自分の限界に挑戦しつづけよう
「何歳から走り始めても10年はタイムがよくなる説」は、誰もが知っている説なのかと思い込んでいたため、これまで書いていませんでした。だがどうもそうではないようです。
あの韓国人おじさんランナーがあれだけ興味を持って聞いてくれたのだから、おそらくここに書く価値のあることなのだろうと思うのです。
はじめてこの説を聞いた人は、この説を信じて、10年は自分の限界に挑戦し続けてください。
この説が本当だということを、その身で証明してください。
わたしもそれを証明した一人です。
そう。たしかに本当でした。この身がそれを知っています。
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