【僕のヒーローアカデミア】<足が速い系>自分のヒーローを考えてみた

マラソン・ランニング
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『僕のヒーローアカデミア』とは、どんな作品?

この作品は『ワンピース』でいう悪魔の実を食べた能力者みたいな「個性」をもった超人たちが、ヒーロー(正義)とヴィラン(敵)に分かれて戦うという作品です。

ゴム人間ルフィーになることは可能か?

超人の個性を持つという世界観の中で、少年少女たちが正義のヒーロー養成学校で学びながら、敵と戦い、成長していく、というドラマです。

私がおもしろいと感じたのは、キャラクターの超人性(個性)と名前です。同じ作家のはしくれとして、よくまあこんなにたくさんの人物を描き分けられるものだ、と感心してしまいました。

肘からセロファンテープのようなものを発射する個性をもつキャラクターの名前は「瀬呂範太(せろはんた)」です。そのまんまじゃん。おぼえやすい! わかりやすいね!

体が鉄のように固くなる個性を持つキャラクターの名前は「鉄哲徹鐵(てつてつてつてつ)」です。こんな名前のキャラクター、います?(鉄哲徹鐵って……爆笑)

キャラクターの個性と命名が「そのまんま」のヒーローが多くて、そこから面白くてはまってしまいました。

もちろんまともなヒーローもたくさん登場します。元祖スーパーマンのような伝統的な超人性(個性)、炎や氷を出すという超人性(個性)、透明人間とか、創造能力とか、火焔人間とか、けっこう「どこかで見たような」個性の中に、珍しい個性のキャラクターもいて、そこが百花繚乱で見どころです。

ところでけっこう長い作品なのでずっと見ているうちに「自分のヒーロー(個性)」を考えたりしませんか? 私も考えてしまいました。このコラムではそれを発表し、自分で評価してみようという試みです。

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足が速い系ヒーロー。足の裏がタイヤ(ホイール)になっているヒーロー

私が考えたのは「足の裏がタイヤになっているヒーロー」でした。

私は昔から「単純に足が速い系のヒーロー」が好きなのです。エイトマンや島村ジョーやアキレウスのような「足が速い」主人公が好きということもあります。

キャラクター・ジェネレーションギャップ

【世界がっかり名所】トロイ遺跡は「遺構」。ヘクトルが逃げ、アキレウスが追いかけた城壁はない

小説のはじまりは「怒り」。詩聖ホメロス『イリアス』は軍功帳。神話。文学

こんなヒーローを思いついたのはもちろんジョギング中です。私はランニングが趣味で、毎日のように走りながら、いろいろなことを感じたり、考えたりしています。

ウェイクアップランニングのすすめ

ランニングに関しては、Kindle本を出版しています。

この本の中には、市民ランナーがスピードを強化する方法として、ママチャリと競争して追い抜くというスピードプレイ(練習法)を提唱しています。

【スピード持久力の強化】ラビット走。ママチャリを追い抜け

サブスリーランナーになると、そこらへんのジョガーよりは自分の方が速くてあたりまえ、というレベルになります。同じランナーをライバルにしても、あまり刺激にならないのです。

【本番練習法】オオカミ・ランニングのすすめ

そこで自転車をライバルにして競争しよう、というスピードプレイをおすすめしているのですが、ランナーにとって自転車というのはかなり強敵です。鍛え抜いた陸上選手が、ろくに鍛えていないオバサンに軽々と抜かれていきます。自転車に乗った爺さんを簡単には追い抜けません。それほど車輪のアドバンテージは大きいのです。

タイヤをもった存在(自転車)よりも速く移動するのは容易ではありません。だったら「ヒーローの個性として足裏が車輪だったら、すごいアドバンテージじゃね?」というのがマイヒーローの発想でした。

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ふくらはぎが強力でも速くは走れない。大切なのは体幹、足の裏

『僕のヒーローアカデミア』にも「飯田天哉」という足の速いキャラクターが登場しています。でも私のヒーローは「彼」とは違うんだな。

彼はふくらはぎにエンジンがついています。そうじゃないんですよ。

これは作者(堀越耕平さん)が「走る」ということを詳しく知らないから、こんな設定になってしまったのでしょう。

ランナー目線からいうと、ふくらはぎが強力でもさほど速くは走れません。大切なのはふくらはぎではなく体幹であり、足の裏です。

三流のランナーは「ふくらはぎ」で走りますが、一流のランナーは「腹」で走っているのです。

ふくらはぎにジェット、というのは素人のよくある誤解なのです。

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人類は尻尾をすてて進化した。テイルマンは進化か、退化か?

また作品中に、尾白猿夫(おじろ ましらお) / テイルマンというキャラクターが登場します。巨大なシッポが生えていて、それを器用に使いこなすという個性を持っています。

象の鼻のように尻尾をつかいこなせたらいっけん便利そうですが、本当にそうでしょうか。

もともと私たち人間の祖先は猿と同じだったと言われています。当然、祖先にはシッポがあったはずです。現存する猿族の中にも尻尾を手のようにつかって木にぶらさがる種族が実在します。

しかしある段階で人類はシッポを捨てました。厳密には尻尾を捨てた系統だけが生存競争を生き残りました。シッポを捨てることにはデメリットよりもメリットの方が大きかったからそういうことになったのだと思います。

だとしたら今さらシッポが復活することに、それほど大きな意味があるでしょうか?

退化したものには退化しただけの理由があって、今さらシッポが復活してもたいして活躍はできないと思います。実際に作品中で、テイルマンはたいした活躍をしていません。

はたしてテイルマンは進化なのでしょうか。退化なのでしょうか。

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足がホイール(タイヤ)化するという進化はありえるか?

進化、退化の議論でいえば、まだまだ進化の途中だと考える方が理にかなっています。現存する種が進化の究極系ではありません。

ところで足の裏が、タイヤ(ホイール)になるという進化はありうるでしょうか。実際の動物では足がホイールのように回転する動物はいませんが、それは進化の途中だからなのかもしれません。

しかし「ホイールのように」という意味ならば、すでに私たち人間のランニングはそれに近いものを達成しているということもできます。

たとえばマンガでは、すごく早い人を足が竜巻の回転して表現されています。

このように膝を中心にクルクルと脚を回転させるのは、脚をホイールのように使っているともいえるのです。

マンガの表現に学ぶ実走。下半身をクルクル回転させるイメージで走ってみよう

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踵着地(ヒールストライク)走法は、一種のホイール(タイヤ)マンといえる

また、なにもリアルに足首から先がホイールにならなくても、ヒールストライク走法は一種のホイール(タイヤ)の再現だということもできます。

踵着地走法は、踵から着地して、足裏をコロンと転がすようにして、最後は母指球(足の親指)のほうから足を離すという走法です。足の裏をタイヤのようにコロンと転がして走っているわけです。

着地している瞬間瞬間は足裏をタイヤ(ホイール)のようにつかっています。

やはり一種のタイヤマン(ホイールマン)だということができます。着地している一瞬は足裏をホイールのように使っています。でも、この走法の究極の進化系は……やっぱり足がホイールのように回転することじゃないのかな?

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ヘルメスの靴。足裏ジェットという進化

ところで私は自分の著書の中で、どちらかといえば「ヒールストライク走法よりはフォアフット走法」を推奨しています。正確に言うと「足裏のどこが着地するか、そこからフォームをつくるとミスリードになる可能性があります。気にすべきは腰や膝であって足裏ではありません」ってことになるのですが。

書籍『市民ランナーという走り方(グランドスラム養成講座)』まえがき

足の裏をタイヤのようにコロンと転がして走るのではなく、足裏はジャンプ台だと思ってバネをいかして走りましょう、というのが私のサブスリー達成のための主張です。実際に私のランニングフォームは前足部着地です。母指球のあたりから着地することを心がけています。

ヘルメスの靴。足についた宙に浮くためのバネ(足底アーチとアキレス腱)

こういうマイヒーローはどうだ! と思ったら、この主張に沿うヒーローも『僕のヒーローアカデミア』にはすでに登場していました。足の裏からジェットを噴射するグラントリノがそれですね。

足裏ジェットは、アトムのジェット走法にも使えそうです。

マラソン初心者が習得すべき走り方(アトムのジェット走法)

グラントリノは足裏ジェットで「飛んで」しまうので、「走るヒーロー」ではありません。しかし走ることの究極の姿は飛ぶことです。

走りとは何か? ジャンプしない走りなんて、走りじゃない。足はしかたなく着いているだけ

グラントリノこそ私のランニングを体現したヒーローだといえそうです。

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「ホイールマン」の人気は陸上競技の人気

そうなると私が考え出したヒーロー「ホイールマン(タイヤマン)」は、意味がないのかな?

なんて考えていたら、なんと出ていました。敵ヴィランの中に、手足に車輪を装着しているタイプのキャラクターが車と伍して事件現場から逃亡していました。

ああ、これこれ。モブですが、ちゃんと登場してました。

……やっぱあんまりカッコよくないな。まだインゲニウムのほうがましですね。飯田くん(インゲニウム)をふくめて、昨今、ただ足が速いだけではスーパーヒーローにはなれないようです。

インゲニウムの人気は、陸上競技の人気そのものだと思います。

やっぱりインゲニウムよりも、炎のエンデヴァーとか、強力パンチのオールマイトの方がずっとカッコいいですものね。

それはつまりラグビーやボクシングの方が、陸上競技よりも人気がでるコンテンツだということなのでしょう。

速いだけではダメで、もうひとつ何かが必要だという気がします。

サハラ砂漠で大ジャンプする著者
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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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