このページでは平成が令和に変わる平成31年4月26日から令和元年5月6日にかけてのゴールデンウィークに桜前線を追いかけて東北地方桜旅を車中泊大遠征10泊11日した時の記録をまとめたものです。
(結論)「桜前線なんてものはテレビの中にしか存在しない」
みなさんもこの記事で同じ体感をしてもらえたらと思い、たくさんの桜写真をアップしています。また、車中泊の長期遠征というものがどういうものなのか。参考になればと思っています。
読んでいただきたいネタは、
・ゴールデンウィークの大渋滞に巻き込まれない方法
・上杉謙信の関東遠征に雑兵が従ったのは豪雪・避寒のため(新説)
・五能線ミステリー。お岩木山は二度あらわれる。
・三内丸山縄文遺跡は世界遺産間違いなし。
・玉川温泉はもっと世界的に有名な場所になることができる。
などでございます。
さあ、出発しましょう。忘れ物はありませんか?
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白瀬南極探検隊記念館。放浪の旅人の英雄、白瀬矗
幼い頃『アムンゼンとスコット』という少年少女向けの偉人伝のようなものを読んだことがある。
人類初の南極点到達を競争する二人の男の物語だった。
ノルウェーのアムンゼンが犬ぞりで、イギリスのスコットが馬車で南極点を目指すが、アムンゼンは成功し、スコットは敗れた上に遭難死してしまうというはっきりと二人の明暗がわかれた物語だった。
ところが大人になって聞いたところによると、本当はこの物語は三つ巴であり、実は第三の男がいたというではないか。
しかもその男は日本人だという。その男こそが白瀬矗(のぶ)。
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放浪者の英雄
私が白瀬矗を大好きなのは、そのぶっ飛んだ「先取り精神」である。
生まれは江戸時代。1861年。学んだ場所は寺小屋である。寺子屋で北極点の話を聞いて探検家を志したという。最初は南極点ではなくて北極点を志したようである。
いやいやいや。。。ちょっと待て。ここはスルーしていいところじゃない。
寺小屋なんて「読み書きそろばん」の世界だ。写真なんてない世界である。
そんな中でよくまあ北極点なんて志せたものだ。
北極点どころかオランダだって行けないと思うのが常人だと思う。
1872年の夢なのだ。北前船しかなかった江戸日本が黒船に驚いたのが1853年のことなのである。
アメリカだって行けないと思うのが普通じゃないのか?
それが北極を夢見るなんて。それも「ただ行く」だけではない。「人類初到達」を夢見たのだ。
江戸時代生まれの少年が。
しかも夢見るだけでなく、白瀬は実際に行動もしている。
白瀬が南極点初到を目指して出航したのが1910年。
アムンゼンの出航も、スコットの出港も1910年のことである。
白人たちが世界を征服していく時代に、ひとりの東洋人が同じ年に地球の極点を目指して出発したということはそれだけで偉大なことではないだろうか。
すくなくとも志において負けてはいなかったのである。
人工衛星などないこの時代は新しい領土を発見して「この領土は我が国のもの」と宣言したものが先占領有することができた。
南極も同様で、南極条約以前は、国の旗を立てて「ここは我が国のモノ」と最初に宣言した国のものになったのである。だから国や軍も白瀬の夢に力を貸してくれたわけである。
結局、アムンゼンは1911年12月14日に人類初の南極点に到達し無事帰還する。
そしてスコットは1912年1月17日南極点に到達するが帰路に全滅する。
一方、白瀬は1912年1月16日に南極大陸に上陸するも、南極点を踏破することはなく、一帯の雪原を「大和雪原」と命名し、日章旗を掲げて先占領有の宣言(日本の領土宣言)をして帰国したのである。
白瀬が南極大陸に上陸した頃にはもうアムンゼンの南極到達は終わっていた。
領土宣言して命名した大和雪原も実は大陸ではなく雪棚だったそうだ。
しかし白瀬が領土宣言したのはスポンサーへの義理のためであり、領土のために冒険したのではない。
人類初到達という純粋なおのれの夢のために旅立ったのである。
世界を白人が征服する時代に、白瀬はアジア人の意地を見せた英雄だと思う。
植村直己のような冒険家の大・大・大先輩なのだ。
江戸時代の寺小屋で北極点の人類初到達を目指すなんて、ハンパじゃねえぜ。
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今でいうグラビア写真を船室に貼って男たちは頑張ったのです。これが本当の初代・南極一号である。
白瀬のような人間は、忘れ去られるものではありません。
アメリカの南極点観測基地の名前は「アムンゼン・スコット基地」と言って彼らの物語を讃えていますし、日本の南極観測船「しらせ」は白瀬矗の名前が由来だと言います。
白瀬の魂は現在もちゃんと引き継がれているのです。
※※桜前線を追いかけて! 車中泊GW東北地方大遠征の旅はこちらから※※
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