清渓川ウェイクアップランニング

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みなさん。おはようございます。ハルトです。

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清渓川ウェイクアップ・ランニング

腕時計の目覚ましが鳴った。ここは韓国ソウルの安宿である。

「起きて走ろう」

そう思ったが、身体は少し疲れていた。時差はないが、観光疲れはあった。昨日も一日中歩き通していた。

それに日本では通勤以外でこんなに早起きすることはない。それでも無理して起きてランニングのできる格好に着替え、寒い外へと飛び出していく。

そうすれば帰ってきた頃には気分爽快になっている。そのことを経験から僕は知っている。

朝ランのことを僕はウェイクアップランニングと呼んでいる。

走りに行くのは、そう「清渓川」である。いい名前の川だ。日本にも同じ名前の川がありそうだが、グーグル検索しても出てこないから「ありそうで、ない」のかもしれない。もしあったとしても検索上位にヒットすることはないであろう。勝つも負けるもライバル次第なのである。ちなみに彼女の本名はチョンゲチョンであるが、私たちはセイケイガワと呼んでいる。『ハングル』という記事で紹介した通りだ。

アジアの街は走るのに適さないところが多い。車のことばかり考えて、歩行者は二の次という設計思想の街が多い。ソウルも信号が多くてあまり快適に走れる街ではないのだが、清渓川は別である。

まだ早朝、吐く息は白い。昨日は雪が降った。すこしぐらい積もっていてもトレイルランニングのシューズを履いているので大丈夫なはずである。

静かな川岸の道路を走る。早朝だったせいか、誰もいない。ランナーも、歩行者さえも。清渓川をひとり占めである。大都会ソウルのちいさなかわいらしい川をひとり占めできたのも韓国の神様の僕へのご褒美であろうか。

川の水は見た目透き通っていてきれいである。昨夜の雪が溶けているのかもしれない。

僕は朝、起きたらまず走ることを習慣にしている。とくに旅先では意識して走ることにしている。そうすることで町のサイズがわかるし、だいたいの地形がわかるようになる。走ることで一気に街の住人になることができるのだ。

旅先では時差や旅行疲れで朝が辛いこともある。それでも無理やり起きてちょっと走ると気分も晴れて活力に溢れてくるのだがら、走るとは不思議なものだ。一日の活力の源といっても過言ではない。

朝ランとかモーニングランと呼ばずウェイクアップランニングと呼んでいる。目を覚ますことが最大の目的だからである。

身体と脳を目覚めさせて旅先に体を慣らすのが目的だ。速く走ることが目的ではない。だから『サブスリー養成講座』で語ってきた速く走るためのテクニックはすべて忘れてのんびり走る。だいいちサブスリーペースで走るのには適さないシューズであることがほとんどだ。暑い国ではサンダルだし、寒い国ではトレランシューズを履いている。

旅先でのウェイクアップランニングでは、思い出をつくることも目的のひとつだ。だから顔をあげて周囲をよく見るようにしている。それにしても誰もいない。清渓川には信号ひとつない。ところどころに川を渡る飛び石があり、対岸に渡って気分を変えることもできる。

こんなに走りやすい、いい場所なのに、ランナーが全然いないことに僕は心から驚いた。これがセーヌ川だったらマラソン大会やっているのかと思うほどランナーが溢れ返っているはずである。つくづくランニングというのは白人文化なのだなあ、と思う。世界中どこへ行っても走っているのは白人ばかりだ。東洋人は僕だけということがよくある。

若い頃にはアジア人を代表して強そうな白人ランナーに草レースを挑んで思い出づくり&スピード練習をしたりしたものだが、清渓川ではひとりもランナーに出会わなかった。

そんなときは走りながら思索にふけってしまう。幼い頃の思い出。ソウル日本人学校のこと。韓国のこと。『バックパッカーの生き方。唐辛子実存主義』についても走りながら考えた。

今、ソウルで4年間暮らせと言われたら存分に楽しんで暮らせるのになあ。この清渓川を毎日走るのに。そんなことを考えながら走っていたらなんと川の突端に着いた。清渓川は途中から暗渠化されているのである。ソウルの西の上流側に人口の瀧がある。そこが清渓川のどん詰まりだ。そこから先は地下川であり行くことはできない。

走り足りないので折り返すことにした。気分を変えるために飛び石で対岸に渡り、東大門方面に向かって走る。四万十川にあるような沈下橋があった。ウルトラマラソンを思い出す。

走ることで脳内モルヒネがつくりだされる。もう僕には自分なりのレベルで日の丸を背負って韓国のサブスリーランナー達に走り勝つだけの力はないかもしれない。川内優輝が自己ベストを出したソウル国際マラソンを走ってみたかった。

東大門を越えてしばらく走ると舗装道路がなくなった。この先、清渓川は漢江ハンガンに合流している。

幼い頃、僕は漢江ハンガンのほとりに住んでいた。もしかしたら人生で江戸川の次に眺めている川は漢江かもしれない。トムハルバンの爺さんにおはようの挨拶をして僕は安宿に戻ることにした。

ハルト「走ってきた! ああ気持ちいい! 早起きしてよかったよ」

イロハ「眠ーい。むにゃむにゃ。どこ走ってきたの?」

全身に血が巡り、目を覚まして、ハイな気分で安宿に戻ったら、イロハはまだ部屋で眠っていた(笑)。いつも僕の方がイロハよりも旅のイベントがひとつだけ多い。それはこの朝のウェイクアップランニングである。朝のこの時間が一日の中で最も楽しいこともある。イロハには内緒だけれども。

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~~このサイトについて~~

比叡山の大阿闍梨(千日回峰行者)様を超える生涯走行距離の中で走りながら感じたことをサブスリーランナーが綴るコラム。

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プロフィール


サンダルマン・ハルト。雑誌『ランナーズ』等に執筆歴のあるライター。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。サブスリーランナー。グランドスラムの達成者(100kmサブテン。富士登山競争登頂)。スイス・ブライトホルン。マレーシア・キナバル山。台湾・玉山ニイタカヤマ。南アルプス全山縦走など登山歴も豊富。キャンプ・車中泊マニア。アウトドア派の放浪の旅人。現在、仮想地球一周ランニング中。
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