東京マラソン。抽選エントリーに当選するコツ・秘策(都市伝説)

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どうもハルトです。みなさん今日も元気に走っていますか?

みなさんは東京マラソンを走ったことがあるでしょうか? 現在のランニングブームを支えている大きな力に東京マラソンがあることは間違いありません。

その東京マラソンですが、走りたい人が多く、なかなか当選できないことでも有名です。年による変動がありますが、2018年大会だとエントリーした人の12人に1人しか走れないというのです。

しかし市民ランナー界隈では「抽選エントリー」に当選する秘策があると聞きます。果たして本当なのでしょうか?

このページでは「東京マラソンの功罪」と「東京マラソンに当選する秘訣」と呼ばれる都市伝説について書いています。

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「出会い」がものごとをはじめるきっかけ

東京マラソンのテレビ中継はランナーの増加に絶大な影響をあたえました。

恋人がふたり一緒に走ってゴールしたらその場でプロポーズするシーンをテレビ中継で見たり、自分の会社の運動音痴の友人が完走したという話を実際に聞いて「自分もできる」と思ったことが、多くの人のマラソンに挑戦する大きなきっかけになっていることは間違いありません。

このことは、東京マラソン以前から走っていた「旧世代のランナー」に聞けばよくわかることです。東京マラソン以降、あきらかにランナーの数は増えました。それ以前は福岡国際マラソンのような一流選手のテレビ中継はありましたが、市民の部の全国ネットでのテレビ中継なんてものはなかったからです。

東京マラソンが銀座の目抜き通りを封鎖する日本を代表する大イベントになったことから、社会性があるため一般ニュースにもなり、ますます多くの人の目にふれることになりました。墨田川花火大会を中継するような感覚で、「東京マラソン市民ランナーの部」をテレビ中継をしたものだから、マラソンは一般人でも走れるのだということが知れ渡るようになり、爆発的にランナーが増えたのです。

どんなものでもそうですが、何かきっかけがなければ、何かをはじめることはできません。行動のきっかけというのは、やはり外の世界の出来事に触れて「自分もやってみよう」と思うことでしょう。

たとえば孤独な牢獄(書籍など何も差し入れのない外界の刺激のない状態)の中で、新しい何かを始めようと思うのはなかなか難しいことではないでしょうか。やはり他人がやっているのを見て刺激を受けて自分もやってみようと思うことが、ものごとを始める大きなきっかけになります。

やはり友達というのは人生の決定的な要素のひとつです。あいつがやっているから軽音楽を、野球を、囲碁を、旅行をやってみよう、と思わせてくれるのが友達です。目の前でそれを見せてくれることが、どれほど触発されることか。多くの人に影響を与えることはできなくても、友達にならば影響をあたえることができます。

多趣味の人で、友達が少ないという人はいないのではないでしょうか。趣味が多いから友達が多いのではなく、友達がたくさんいるから趣味がたくさんあるのだと思います。

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東京マラソンの当選倍率は12.1倍(2018年)

かつて、日本で市民マラソン大会といえば「ホノルル・マラソン」でした。多くの芸能人が走って、ハワイに楽しそうなマラソン大会があるのだということは知れ渡っていました。

しかし行きにくいのが難点です。飛行機でハワイに行けない人には無縁の大会でした。誰でも出られる大会ではなかったのです。家族がいれば「オレだけハワイに行ってくる」と言えるはずがありません。「マラソンにエントリーしているのはオレだけだろう!」とお父さんがいくら主張しても、お母さんや子供は絶対に納得してくれません。しばらく口をきいてくれなくなります。あるいは永遠に。だってハワイに行きたいんだもんね!

ところが東京マラソンは違います。マラソンついでに妻子を東京観光に連れていくことなどは誰にでもできることです。つまり本当の意味で誰でも出られるメジャー大会が日本にはじめて誕生したのです。

東京マラソンに関しては「東京夢舞いマラソン」などの市民運動がありました。大会のサイトをコピペしますと、

『2000年当時、世界のほとんどの大都市で市の中心を一般ランナーも走れるシティマラソンがありました。東京にはエリートランナーのためのマラソン大会はあったものの、一般市民ランナーも走れるマラソン大会はありませんでした。「東京のど真ん中で誰でも走れる市民マラソン大会を」「世界の大都市と同じく祭りのようにマラソンを楽しもう」そんな思いを抱くランニング仲間が、21世紀を迎えた2001年に、「都心を走ろう3万人で!」をスローガンに、「東京マラソン」実現の夢に向かってマラソン大会を企画、都心の名所を巡るコースを描き、第1回大会を開催することにより市民ランナーおよび都民の皆さんにアピールしました。以降、年々参加ランナーもボランティアも増え大きな大会となりました。2007年2月、東京都による「東京マラソン」が実現しました。我々の運動も実現達成できたので「東京夢舞いマラソン」を終了することにしました。』

とあります。

私はニューヨークシティマラソンの魅力に取りつかれて走り続けたランナーですので、東京にNYCMのようなマンモス大会を! という運動にはできる限りの協力をしてきました。私も東京マラソン以前からのランナーだからです。しかし、東京マラソンは市民ランナーの運動の成果というよりは、どちらかといえば東京オリンピックに向けた権力側の都合によって実現されたものと私は感じています。あえて言えば石原慎太郎都知事の功績でしょう。

先ほどホノマラに比べて、本当の意味で日本人の誰でも出られるメジャー大会だと書きましたが、東京マラソンは実は本当の意味では「誰でも出られる」大会ではありません。2018年の東京マラソンの当選倍率は12.1倍だそうです。エントリーした人12人のうち11人は走ることができないのです。ホノマラとは違った意味で、東京マラソンは「誰でも出られる」大会ではなくなってしまっています。

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人間にはピークというものがある。東京マラソンはメインレースにできない。

市民がマラソンを継続する大きなモチベーションのひとつに「自分への挑戦」「自己ベスト更新」というものがあります。走れるかどうかわからない大会に向けてトレーニングを開始するというのは、受験できるかどうかわからない志望校のために勉強をするようなものです。これでは身が入るわけがありません。

9月下旬に抽選結果が出るから、10月のオクトーバー・ラン(本気の練習モードに入る月)には間に合うだろうというのが主催者側の理屈だと思われますが、やはり「出場できるかどうかわからない大会」では、シリアスランナーが年単位の準備をして勝負レースをするのにふさわしい大会だとは思えません。

知っているコースほど近く感じるという錯覚さえも利用して、ランナーは自己ベストを目指します。本当の意味で自己ベストを狙うなら毎年確実に走れる大会を狙ったほうが間違いがありません。

人間にはピークというものがあります。秒単位で削ってサブスリーを狙っていくシリアス市民ランナーには、ピーキングという技術が極めて重要です。レース当日に己の肉体能力がピークになるように調子を上げていくのです。カーボローディングなどが代表的なピーキング技術のひとつですが、もっとも重要なピーキング技術は実は『ダイエット』です。減量ほどタイムに直結するものはありません。

レース本番に向けて数ヶ月前から徐々に調子を上げていく(体重を落としていく)のです。そういう年単位の調整の中でメインレースを選ぶとき、走れるかどうかもわからない東京マラソンは真っ先にメインレース候補から除外されます。

減量こそ走力に直結しているという意味で、私にとってサブスリーとは瞬間芸であり、常時維持できる走力ではありません。レース本番は普段よりも5キロぐらい体重をそぎ落として臨んでいました。

みなさんも学生時代に合格した大学に今もう一度合格できないですよね? あの頃覚えていた英単語や公式をもう覚えていないわけですから。ピーキングとはそういうものです。一夜漬けのようなことをして、ギリギリ合格ラインを越えていくのです。このようにピークを合わせてやっとサブスリーを狙うシリアスランナーにとっては、出られるか出られないかわからないようなレースは、勝負レースにすることはできません。

またピークというのは、人生にもあります。若いうちは何をしていても成長を実感できるでしょうが、やがて老いてくると何をしていても衰退を実感するようになります。それが人生です。登り詰めたらあとは下るしかないのです。

どんどん能力を伸ばしていったあなたの肉体の最盛期は2~3年しかなく、それ以降は衰えていくものです。それが自然の摂理なのです。市民ランナーの場合は、肉体的なピークを意識するほど自分を追い込める人は稀なので、練習量でごまかすことができますが、それでもやがて下り坂がきます。同じ練習をしても、タイムが出なくなる。あるいは練習後の疲労が抜けなくなり同じ練習を維持できなくなる。それがピークというものです。

仕事が暇な時期には快速ランナーだった人が、忙しくなると全然走れなくなるというのはよく見聞きしたことでした。忙しくなってランナーを引退してしまった人もいました。練習量あってのマラソンランナーですから。練習時間を確保できるかどうかも、実力のうちです。

人の世は「うつろい」。人間の能力も「うつろい」ます。無限にあるように思われた自分の時間も、やがてなくなってきます。恋人との時間に使う。家族との団らんに使う。仕事に使う。そうした自分の時間の「うつろい」によっても、自己ベストは出せなくなります。

自己ベストを出せる時には出しておきましょう。いつまでも自己ベストが更新できると思ったら大きな間違いです。

その目線から言えば、東京マラソンは「大きなお祭りだ」ぐらいに考えた方がいいのではないかと思います。当たったらラッキーぐらいのスタンスで、勝負レースにはしない。走る楽しさを思いだすために、観客に手を振りながら楽しんで走る。集中して走る「勝負レース」は別のフラットな大会を厳選して東京マラソンは「お祭り」として楽しみましょう。

別の勝負レースに向けてトレーニングしていた人が、ラッキーなことに当選したので、東京マラソンを勝負レースを切り替えた、というようなタナボタ大会だと私は位置づけています。

メインレースにピークを合わせて爆発するという発想だと「ほとんど確実に走れる」大会を選ぶことが前提となります。しかし確実に走れる大会なんて世の中にはありませんからシリアスランナーほど「すべり止め」「第二志望」を準備する傾向になります。まるで受験のように。

ただでさえ走るのが好きな人たちですから、こうして一人のランナーが複数の大会を渡り歩き(走り)、抽選倍率は膨れ上がることになるのです。

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渋滞レースは勝負レースにはできない

東京マラソンを勝負レースにしたくないもう一つの理由があります。

それは混み具合です。渋滞してたら、自分のペースで走れませんからね。人の波で塞がれてしまったらレースは終わりです。東京マラソンは、日本中のランナーが走りたがっているレースですので、そのリクエストに応えるため、道路のキャパぎりぎりまで走らせています。位置によっては、道幅に対して人が多すぎて、追い抜くことさえ難しいのです。

まあ先頭から走られてもらえれば後ろに何人いようが関係ありませんが、そんないい位置から走らせてくれるわけがありません。先頭はオリンピッククラスの招待選手、次に日本陸連の登録選手、そして運よく当選した一般市民ランナーの申告タイム順となっています。

やはり東京マラソンは楽しむためのレースであって、私にとっては自己ベストを狙えるようなレースとは思えません。

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東京マラソンがもたらした代走禁止というモラル

知っていますか? 東京マラソン以前は、ランナー同士の代走なんてあたりまえでした。

「エントリーしてたんだけど急に用事ができて走れなくなったから、代走しない?」

そういう申し出は走友会の中であたりまえのようにありました。私もどれだけ代走でいろいろな大会を走ったか数え切れません。

もちろん代走で入賞するようなことがあってはなりませんが(遺憾ながら経験があります)、代わりに走るだけならば、大会側が把握しているランナー数が増えるわけじゃありませんから、給水などの補給が足りなくなるわけでもなく、特に何の問題もありませんでした。以前はね。

私たち走友会の間では地元ルールがありました。それは「代走者は走るだけ。大会の記念品や完走Tシャツはエントリー代金を支払った人のもの」という代走のルールでした。チケットを譲ることには両者にメリットがあったのです。東京マラソン以前、人気のなかった各地のマラソン大会では客寄せのために「地元の名産」をプレゼントしてくれるようなことがよくありました。エントリー代を払ったのに仕事などで急遽走れなくなった人はせめて「地元の名産」や「大会の記念品」だけでも貰いたいじゃないですか。だから予定のないランナーには「代走チケット」が回ってきたのです。回す方にも回される方にもメリットがあったからです。

私などは代走を期待して、わざとエントリーしなかったことすらありました(笑)。そして予想通り代走チケットが回ってきて走ったものでした。そもそも東京マラソン以前は大会数にくらべてランナーの数がすくなかったのです。地方のハーフマラソン大会なんて、なかなかランナーが集まらず、いつでもエントリー申し込み待ち状態でした。かつては、いつでも、どんな大会でも、思いついた時にエントリーして走ることができました。

それが最近ではどうでしょう。人気のマラソン大会に出場するためには、人気アーティストのコンサートチケットを取るようにパソコンの前に待機していなければなりません。日付が変わった瞬間、ランネットスポーツエントリーなどから一斉エントリー開始となりますので、起床直後の朝の6時などにパソコンを開いてもとっくに定員に達して〆切になっています。まさかこんな時代がこようとは。。。

東京に大都市型市民マラソンを誕生させようと私たちが運動していた頃、ほとんどすべてのランナーは自分がそれを走りたいから運動していたのです。まさか自分が走れなくなるなんて想像もしていなかったと思います。まさしく「想定外」でした。東京マラソンにはそれほどのインパクトがあったのです。

そこまで人気の大会ですから、ずるい手を使ってでも走りたいと考える人たちが出てきます。東京マラソンには「去年のナンバーカードをつけて走った人」「カラーコピーした偽造ナンバーカードをつけて走った人」など、いろいろな話があります。

スポーツ写真サイト・オールスポーツコミュニティ」はナンバーカード番号で自分の写真を検索して購入できるサービスですが、偽のナンバーカードをつかっていると、ここでバレてしまいます。どこかの正規のランナーが頑張った自分の写真を求めてナンバーカードを打ち込むと、自分じゃない知らない人の写真がずらりと出てきたらそりゃあビックリしてしまうでしょう。そして「私と同じナンバーカードの人がいる!」と大会本部に通報したらそれで発覚してしまいます。

ズルした人たちは、抽選も通過していないし、1万円もするエントリー代金を支払っていない人たちですから、正規エントリーした人や、大会主催者側からすれば「許せない人」という扱いになります。このようなことがあって「代走はモラルに反する」という社会的雰囲気ができあがってきました。それもこれも東京マラソンというプレミアチケットがあってこそのことでした。

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(お金を落とす)地方の女子ランナーは当選しやすいという都市伝説

私も何度かエントリーしたことがありますが、一度も東京マラソンに当選したことはありません。確率的には12回エントリーしないと1回も走れないわけですから、むしろ落選して当然といったところです。

ところが東京マラソンには、どうしても当選したい人の怨念が生み出した、いくつかの都市伝説があります。

『地方の女子ランナーは当選しやすい』というのが、その中のひとつです。

なるほど都市伝説化するのがよくわかります。可能性はあるな、と思ってしまうだけの理由があります。

前日受付であることを含めて、地方の人は東京に宿泊しないと東京マラソンに参加できません。地方の人ほど東京にたくさんのお金を落とします。宿泊費。交通費。外食費。また滅多に来られませんから観光にだって東京都民よりもお金を使うでしょう。より大きな経済効果をもたらします。

また、女子はファッションに気をつかいますから、アシックスやミズノやナイキなどのスポーツメーカーにとっては、男性ランナーよりもありがたい存在です。ほぼ下着姿みたいなランパン、ランシャツの男子ランナーに比べたら、オシャレな女子ランナーの全身コーディネートには、はるかにたくさんのお金が使われています。

また、自分が主催者だったら、オッサンばっかりのむさくるしい大会よりも、女性も走る華やかな大会の方がいいなあと思うはずです。ランナーの絶対数は男の方がずっと多いですから、まともに抽選をしたら男子ランナーばかりになってしまうはずです。男女平等社会の公道レースでは、男女同数が走った方がサマになります。主催者側が華やかな女子ランナーに増えて欲しいなと思ったら、女子の競争率は必然的に下がるはず、というわけです。

また、女子ランナーが増えることは結局、男子ランナーが増えることにもつながります。私の知り合いの職場のテニス部の部長が「女子部員をひとり勧誘すれば、男子部員3人が勝手に入ってくる」と言っていたのと同じ理屈です。女子ランナーはランニング業界そのものを盛り上げてくれるのだから、日本陸連などから見てもいい戦略だというわけです。だから「地方の女子は別枠で当選しやすいのではないか」というのがこの都市伝説です。

実際、私の知り合いの「地方の女子ランナー」はこれまでに3回東京マラソンに当選しています。偶然にしては当たりすぎな気がします。

もしや? そうかもしれないと思ってしまうところが都市伝説ですね。

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(便秘渋滞回避)サブスリーランナーは当選しやすいという都市伝説

正式に東京マラソンに当選したことはありませんが、私は東京マラソンを完走しています。ある日、ふとしたツテから、全く期待していなかった東京マラソンを走ることになりました。いわゆる代走ですね。

ある日、走友の1人から連絡がありました。「東京マラソンに当たったから走らないか」私は驚きました。そんなプレミアチケットを手放す人がいるとは信じられません。

「お前は走らないのか?」

「オレも走るよ。どうしても走りたかったから、住んでいるアパートと実家の両方でエントリーしたら、ラッキーなことに両方当選したから、片方の当選権利を売ってあげるよ」

というのです。

ダブル当選したのは私ではありませんので詳しい二重当選のシステムはわかりませんが(人が身分確認をする際に手品を使ったようです。代走を推奨するために、このブログを書いているのではありません。代走はやめてください)、彼としては入金した参加料さえもらえればチケットを回してやるというのです。なかなか当選しないプレミアチケットです。私は了承しました。

まだ今ほど代走がやかましくない時代でしたし、私たち自身がそもそもあまり代走に抵抗がない東京マラソン以前からの旧世代のランナーだということもあります。代走ということは他人の名前で走るということであり、自己ベストが代走だったりしたら記録が他人名義になってしまい、やりきれない思いをすることになります(遺憾ながら経験があります)。

また、代走チケットをくれた相手にとっても、自分ではとうてい出せないような凄いタイムで走られてしまうと、記録上の自己ベストは赤の他人が走ったタイムということになってしまい誠に残念なことになります。

ですから、代走はしない方がよいのです。

滅多に当選しないはずの東京マラソンのチケットをダブル当選することができた走友のことは、当時、こう噂されていました。

『東京マラソンは、めちゃくちゃ速い人(サブスリーランナー)は当選しやすい』。

私の友人はサブスリーランナーでした。だから二重当選できたのではないか、という噂が立ったのです。なるほどもっともらしい都市伝説です。そしてこれも都市伝説になるだけの理論的な根拠があるのです。

主催者側が、渋滞をなくしてスムーズにランナーを走らせたいと思ったとしたら、走力順に同じボリュームでスタートさせればいいはずです。タイム別に同じぐらいの人数が同じスピードでゴールするように設定すれば、動く歩道が渋滞しないように、理論上はレースは滞らないはずです。同タイムの人が極端に多ければ、道を塞いでしまいます。便秘と同じです。

一般市民ランナーのマラソンのゴールタイムは平均4時間30分ぐらいと言われています。まともに抽選したら、ほとんどのランナーは4時間30分ぐらいのところに固まって糞詰まりのようになり、レースは大渋滞してしまうはずです。

ところが実際にはそうはなっていません。そこそこ散らばってゴールしているのはどうしてでしょうか。

主催者側がこの便秘渋滞を避けたいがために、同じぐらいのタイムの人が同じぐらいのボリュームになるように抽選前にタイム別に分けているはずだ、というのが、『東京マラソンは、めちゃくちゃ速い人(サブスリーランナー)は当選しやすい』という都市伝説の正体です。

同じボリュームの人が当選するとしたら、2時間台のランナーは、4時間台のランナーよりも当選しやすいはずです。サブスリーランナーなんてそんなにたくさんいないんですから。

この都市伝説を教えてあげた私の走友の一人が本当は4時間をちょっと切るぐらいの実力なのに、1時間書き間違えちゃったことにして3時間をちょっと切るぐらいの自己申告タイムでエントリーしてみたのですが、結果は落選でした。やっぱり都市伝説に過ぎないのでしょう。

都市伝説の真偽はともかく、こうして私はエントリーもしていないのに東京マラソンを走ることになりました。走友がチケットを回してくれたから、それがきっかけで東京マラソンを走ることができたのです。やはり友達というのは人生の重要な要素のひとつですね。

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マラソン初心者におすすめするのはやっぱり東京マラソン

別府大分毎日マラソン北海道マラソンなど日本のさまざまなマラソンの大会を走ってきた私ですが、マラソン未経験者にどれかひとつだけ大会を推薦するとすれば、(確実に走れるなら)やっぱり東京マラソンを勧めます。

よくある河川敷の走るだけの大会とは「お祭り度」が全然違います。レースそのものが山車行列のようなものです。ランナーは阿波踊りの勝手連のようなものです。青森ねぶた祭の跳人ハネトのようなものです。岸和田だんじり祭りだって綱先(前方で綱を曳いて走る人)だったら即戦力です。お祭りを練り歩くように、東京マラソンではお祭り気分で走ることができます。

時々日本中の「お祭り」を渡り歩いているお祭り愛好家がいますけれど、我らランナーも似たようなものです。お祭りは盛り上がってナンボですから、参加するなら(参加できるなら)東京マラソンがだんぜん面白い。世界一の市民マラソン大会ニューヨークシティマラソンにもっとも近いのは、間違いなく東京マラソンです。観客の数が違います。我々旧世代ランナーが夢に見た大都市型マラソンが日本で実現したのです。それが東京マラソンです。

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ボストンマラソンのノーゼッケンの野良ランナーたち

世界中でもっとも有名なマラソンコースはボストンマラソンの「心臓破りの丘(ハートブレイクヒル)」ではないでしょうか。

ボストンマラソンには三つの集団があります。

第一集団は正式選手。ボストンマラソンは出走資格タイムをクリアした選ばれたランナーしか正式選手のゼッケンで出場することはできません。「ボストンを(正式選手として)走った」というだけでアメリカでは実力のあるランナーの証となっています。

第二集団に資格タイムをクリアできていない非正式選手。日本人が海外マラソンツアーに申し込めば、資格がなくてもこの第二集団で走ることができます。しかし正式選手とはナンバーカードの色が違いますし、正式選手の後ろから走らなければなりません。

そして第三にノーゼッケンの選手です。完全なる野良選手です。市民ランナーが勝手に最後尾からボストンマラソンのコースを走っているのです。

東京マラソンでは完全にコースをヒモで塞いでたくさんの人が見はっているので、ノーゼッケンの市民が勝手に乱入して走ることはできませんが、アメリカでもっとも伝統あるボストンマラソンでは、ノーゼッケンの選手が走ることが許されていました。

おそらくアメリカでは「ん? なんか文句ある? うちら、ただ公道をジョギングしてるだけだけど?」という理屈なんでしょう。「市民が勝手にジョギングして何が悪い。普段から走っているんだ。たまたまボストンマラソンと同日だっただけだ」という手前みそな理屈なんだと思いますが、主催者からも排除はなく、観客からも、ゼッケン選手からも何の苦情もなく完全に許されていました。

このようなレースではもちろんナンバーカードを不正にカラーコピーして偽造するような選手が現れるわけがありません。ノーゼッケンで勝手に走ればいいのですから。

みなさん、ボストンマラソンのこういうことは知らないでしょう? 知らないと、変わるきっかけにならないのです。「出会い」がものごとをはじめるきっかけなのです。最初に言った通り。世界にはそういうレースがあるのだということを知れば、東京マラソンが変わるきっかけになるかもしれない。

正式選手は正式な色のナンバーカードを胸につけて走ります。それをボストン・クオリファイといって厳しい基準をクリアした一流の市民ランナーであることの証しです。それが世界一歴史のあるボストン・マラソンです。

もちろん第二集団の非正式選手(エントリー代金は支払っている)が第三集団に抜かれて「邪魔だな」と思うことはあるでしょうが、もともと正式選手じゃないんだから文句も言えません。走れるだけラッキーという立場の人たちですから。この集団は正式に記録が出ます。

第一集団の正式選手には、ノーゼッケン選手は邪魔になりません。なぜなら第二集団の非正式選手が後方で壁になって、野良選手の進出を邪魔しているからです。もともと正式選手は一緒にスタートしても、野良選手に負けるような弱い人たちではありません。ボストンに出るために必死に練習して、記録を持った強い選手ばかりだからです。しかしそれでも正式選手の横をノーゼッケンの選手が追い抜いていくこともあるのです。それがまた面白かったりします。

東京マラソンとは違って、こういうレースもあるのだということを、ボストンマラソンフィニッシャーの私が書き記しておきます。

東京マラソンも、最後尾からノーゼッケンの選手が走れるぐらいオープンな雰囲気のレースだったらといいなと思うのは私だけでしょうか。

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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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